四足歩行をお手本に

プロのスポーツ選手より、動きの質が高い一般人の方もいます、と前回断言しました。

それがどういう動きのことを言っているのか、おそらく想像がつかないと思います。

誰がどう考えても、一般のそれも60歳をゆうに超えた方が、親子どころかお孫さんに近いような年回りのスポーツ選手より、どういう部分が優れているというのか、今回はそこを掘り下げてみたいと思います。

単純に見た目の体格や、身体能力の指標となるテストの数値などでは、もちろんスポーツ選手にかなう訳はありません。

人間も言うまでもなく地球上に存在する動物の一種です。

長い進化の過程を経て、まるで地球が人間だけのものであるかのような文明社会を築き、生活しています。

生物としての我々は、男性で18歳、女性は少し早く16歳で、肉体的には完成します。

そしてその後は、残念ながら少しずつ衰えていきます、これが現実です。

これがこと運動能力という面から見れば、的確なトレーニングを継続することで、数値上の向上は一定の年齢まで見られますし、それぞれのスポーツ動作には経験値も重要な要素となりますので、そういう要素を含めれば、16歳18歳が運動選手としてのピークであるとは言えません。

それでも現実的に、そのくらいの年齢がピークに近くなっている競泳のような種目もあります。

人間が二足歩行になったことで、得たものはもちろんたくさんありますし、四足歩行のままでは今のような文明は有り得なかったと思います。

しかし、二足歩行になったことで失われてしまった能力もたくさんあると思うのです。

その一番大きな部分が、背骨を介しての肩関節特に肩甲骨と、骨盤の動き特に股関節の連動性の低下です。

四足の動物の動きをじっくり見てください、股関節や肩甲骨などという部分の動きではない、まさに全体が一つになって動いています。

会話はできませんが、歩いている犬や猫に、今どこを意識して動いたのとか、走り出す瞬間にはどういうところに力を入れたのとか、人間どうしなら、根掘り葉掘り質問攻めにされそうなことを聞くまでもなく、まるで自然に無駄なく体を使っていますよね。

人間は二足歩行になったため、上半身とくに肩関節から先の腕の独立性が格段に高まりました。
逆に言えば、それぞれが勝手な方向に動いてしまうことで、全体の調整がうまく出来なくなることで、体の歪みや違和感、そして痛みへと進んでいくのです。

そのために私が考えたのは、最初からすべてを連動させて、四足動物のような滑らかな動きを作りましょうでは、絶対に無理なので、頭でっかちの人間には、まず一か所を起点にした動き作りのトレーニングから始めてもらうのです。

まずは肩甲骨、ほとんどの方は肩甲骨というものの働きや、その物自体が動いていることすら気付いていません。

肩甲骨を動かしてくださいと言っても、見た目には肩自体を上げ下げしているだけで、肩関節が動いているだけです。

私がやって見せると、肩甲骨自体が大きく前後左右に動いて見えますので、初めて見た方は別の生物を見るように驚かれます。

実は私が肩甲骨を動かしている時、骨盤と背骨がしっかりとサポートしてくれています、けっして肩甲骨が単体で動いているわけではありません。

肩甲骨なんて動くはずがないと言っている人ほど、他の部分はまったく参加せず、肩関節だけを上下に動かしているだけなのです。

これが二足歩行になった弊害です。

四足歩行の動物には、逆に肩だけを動かしてなんてできないのです。

何百本の糸を使って操る、精巧に作られたマリオネットをイメージしてください。
どこかを動かすために、その部分だけの糸を動かそうとすれば、他の糸が緩んだり引っ張られすぎてしまい、人形全体としての動きが自然ではなくなります。

一か所が動くためには、すべてが連なりあって動かなければなりません。

そういうイメージのトレーニングを繰り返していただくことが、力みのない自然な動きを作り出し、極端な例だと体格では全くかなわないスポーツ選手と同じ重量を、一般の方が、いとも簡単に扱うことができるようになったりするのです。

ここまで来ると、見た目の体の大きさとか、スポーツ選手だからという先入観をすてて、素直に動きを見比べていただければ、スポーツ選手以上の動きを表現できる、一般の方がいらっしゃることは何ら不思議なことではないのです。

肩甲骨と背骨、股関節の連動動作、次回さらに続きます。
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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
今年2回目の西本塾を8月26・27の土日に開催を予定しています。
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なお、今回も参加者が5名に満たない場合は開催しません。
9月10日には深める会も予定しています。

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