自分の考えを伝えるということ。

既に12月も20日となり、今年もいよいよ残りわずかとなってきました。

今年一年を振り返るのはもう少し先のことにしますが、週末の土日に行った22回を数えた西本塾で、当初予定していた定期開催を終了しました。

参加者にとっては、もちろん初めて聞くこと見ることのオンパレードで、異口同音に目からうろこの感想が聞かれる内容だったと思います。

しかし、私にとっては、毎回自分の考えを伝えるわけですから、同じことの繰り返しとなるわけで、マンネリ化してしまってもおかしくない状況ではありました。

そうならないように、同じ内容に見えて、常にアップデートを繰り返し、自分自身にとっての深める会を行い続けてきたと思っています。

「西本理論」に完成形はなく、日々いやその瞬間瞬間に湧き出した疑問に対して、なぜどうしてと自問自答を繰り返し、試行錯誤を加え続けています。

そうした中で、私の考えていることをどうやって伝えるかという、学ぶ側からしたら一番肝心な部分が、私にとっても一番難しい問題だと思います。

それは相手が必要としているポイント、知りたい部分がまったく違うからです。

様々な立場の方に伝えてきました、プロスポーツ選手、アマチュアスポーツ選手、一般のスポーツ愛好者、それぞれのカテゴリーの指導者、選手の保護者の方、人間の体を相手にする医療関係者、施術者、それを目指している学生、まだまだ挙げればきりがないほど様々な分野の方が私の考えに興味を持って、広島まで足を運んでくれました。

個人指導の形で、限られた時間で自分の必要としている部分だけを教えて欲しいという要求もありましたし、西本塾に参加し二日間みっちり膝を交えて受講してくれた人もありました。

150人を超える人たちが私から何かを学んでくれたと思います。

学ぶ側から見れば、もっと端的に結果ありきというか、走るという行為であれば、単純に走り方だけを教えてくれればいいという考えもあるかもしれません。

同じことを繰り返しますが、私が言葉を荒げてまで真剣に伝えているのは、目の前に居るその人の為ではなく、その人がその後関わるであろう何十人何百人の人たちに、正しく伝えて欲しいという願いを込めてのことなのです。

私が伝えたいことが10あるとして、二日間をかけて必死で伝えたとしても、どれくらい伝わったのかを量ることは出来ませんし、当然個人差もあると思います。

そうやって持ち帰ったものを、そのまたどれくらいの割合で指導に活かしてくれるのか、それはもうまったく想像もつきません。

「分かった、出来た」と思って帰った行った人たちが、それぞれの考えのもとに私から学んだことをアレンジするのですから、もしかしたらまったく違う形で伝えられてしまうかもしれません。

それでも、「これまでの常識や固定概念を離れる」という意識だけは、どんな人にも伝わっていると信じています。

もっと分かりやすく、もっと単純に伝えなければ、せっかく作り上げてきた私の理論や方法論が広がった行かないと心配されることもありますが、世にはびこる方法論の一つとしてしか取り組めないのであれば、どこかで行き詰った時に、振り返って検証する基礎の部分を築き上げることができません。

スポーツの世界だけではないでしょうが、スランプと言われる状態は、勢いだけで進んできて戻る場所を失った人間が陥るものだと思います。

私が伝えなければならないのは、30年近くに渡って試行錯誤を続けている過程を、恥じることなくつまびらかにすることで、迷った時困ったとき、西本はこう考えこういう行動で切り開いてきたんだという過程を、これから先の未来を背負う人たちに伝えておくことだと思うのです。

「そんなことは大きなお世話で、お前がたどりついた今を知りたいのだ」、それもいいでしょう。

しかし、そういう考えの人は、自分が行き詰まってしまった時、結局はまた誰かの考えに頼らなければならなくなり、自分で道を切り開く努力をしなくなるのです。

金太郎飴のように、他の人と同じことを知っていて同じことができる人材が、組織にとって使いやすいことは理解できます。

では組織は何のために誰の為に存在し機能させているのでしょうか。

それは医療機関であれば患者さんであり、スポーツの世界であれば選手たちのはずです。

今流行の言葉で言えば、〇〇ファーストでしょうか。

私は常にそういう考え方で、目の前の選手や患者さんのために何が出来るかを考え続けてきました。

他の人と同じことしかできないのならば、他の人と違うことをやってはいけないのならば、私がその立場に居続ける必要はないと考えました、だから今こうしているのです。

「単純に方法論だけを教えてくれればいい、難しい理屈など必要としていない」、そうでしょうか。

一流や超一流と呼ばれる選手たちは、そんな薄っぺらな理解で取り組んで結果が得られるような世界なのでしょうか。

今仕事のメインになりつつある、体の不調を訴えて来所される一般の方々に対しても同じです。
黙って痛みを軽減するための施術を行っていれば、仕事として何の問題もないのは分かっていますが、縁あって私の前に体をゆだねてくれた人に対して、私はそれが出来ないのです。

人間の体とは、年齢とともに衰えて行く人体の機能とは、痛みとは、なぜこうなってしまったのか、これから先どうすればいいのか、そういうことをすべて踏まえて対応しなければ、私のところへ来ていただいた意味がないと、勝手に思っています。

ある意味面倒くさいやつだと思われるでしょう、何でこんなことを言われなければならないのかと。

それでも少しずつではありますが、伝え方も上手になってきたように思います。

それはこの3年間、私に向き合ってくださった、たくさんの方々のお蔭です。

これは紛れもない事実で、「来る者拒み、去る者は追わず」の、何とも愛想のない性格を、少し変えてくれました。

来年の定期開催の予定は今のところありませんが、西本塾そして深める会と、それぞれ1回くらいは開催しようかなとは思っています。

出来ることなら、これまで学んでくれた人たちからの招きを受けて、私から直接話を聞きたいという人たちのところに出向いていく機会が出来たらいいなと思っています。

サッカーのクラブ世界一決定戦を見ても、私の考えていることが基礎になければ、健闘した惜しかったで終わってしまうような気がします。

大きなことは言えませんが、何時どんな対象から指導の依頼を受けても、すぐに対応できる準備は常に整っています。

指導には継続性が必要ですから、せめて車で通える範囲のクラブで指導をさせてくれる環境はないでしょうか。

私が提唱する体の使い方を、組織として取り組んだ結果がどんなことになるのか、私が一緒に走り回って指導できるうちに、この目で見てみたいと思います。

あと2年で大台になります、もちろん若いつもりですし努力も続けますが、いつまでもという訳には行きません。

夢や目標は言葉に出さなければ到達することは出来ないと思います。

今年また一つ大きな夢が実現して、これまで頭の中だけでしか考えられなかったことを、実際に体験し確認することができました。

改めて自分の思考回路は間違っていなかったと嬉しく思いました。

これからも安易な方法論ではなく、本質を追い求めて行こうと思います。

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
「第25回西本塾」を11月18・19日の土日に開催を予定しています。
詳細はStudio操ホームページ内の「講習会情報」をご覧ください
尚、深める会も12月9・10日に予定しています。

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