連動のイメージをさらに

今回はラットプルダウンの動きで、連動の意識を高めていただきたいと思います。

このマシンは、本来であれば鉄棒にぶら下がって自分の体重を負荷にし、懸垂を行うことで鍛えられる背中の広背筋を、より効果的に刺激するために考案されたマシンです。

現実的に懸垂が10回以上できる人は少ないと思いますし、出来るよという人でも両手の幅はほぼ肩幅くらいで、広背筋というよりも、肘を曲げる上腕二頭筋が主導筋になっていることがほとんどです。

マシンで行うような、両手をガッツポーズをするときのように開き、ゆっくり体を上下させることは、よほどトレーニングを積んでいる人でないとできないと思います。

まずは両手を肩幅以上に開きマシンに向かって座ります。
重量は普段よりも軽めに設定してください。

この時バーを強く握ってしまうと、そのまま屈筋群にスイッチが入り、肘を曲げ胸やお腹に力が入ることで背中が丸くなり、本来の広背筋に刺激が行かなくなるので、グリップバンドなどを使うことをお勧めします。

動き出しの意識は、シーテッドローイングの時と同じで骨盤を真っ直ぐ立てることから始めます。

その動きが背骨を大きく反らし、背骨のS字の湾曲を強調します。

するとバーにぶら下がっていたことで、左右に羽を広げるようなポジションにあった肩甲骨の下端が、背骨の動きに合わせて中央に寄ってきます。

左右の肩甲骨がくっつくような感覚です。

その時腕を曲げてバーを引き下ろそうという感覚はありませんが、肩甲骨の動きに合わせ肩から肘の上腕部は体側に向かって近づいていきます。

その時すでに、ピンをさした何十㎏かの重さは持ち上がっています。

バーを引き下ろしたから重量が動いたのではなく、骨盤を立て背骨を反らし、肩甲骨が動いたからバーが引き下ろされ、重量が持ち上がったという流れが大切なのです。

首の後ろに下すのであれば、そのまま今の意識を強くしていくことだけを考えます。

もう少し低いところまで下さなければと思った瞬間、肘を曲げることに意識が行き背中は丸まり、まったく違う体の動きになってしまいます。

まだ後頭部の上の方でそれ以上下がってこないのなら、そのポジションをフィニッシュポジションとしてしっかり意識を集中すればよいことで、それ以上は必要ありません。

もっと低いポジションまで持ってきたければ重量を下げればいいだけのことです。

胸の前に下してくるときは、軽すぎるとお腹のあたりまで下している人も見かけますが、これもまったく目的から逸脱しています。

ゆったりとしたつながりの中で体の動きに集中できる重量が、その時のトレーニングに対してベストな選択となります。

背中から首にかけての大きな筋肉ですので、正しい動きで刺激ができると割と短期間に変化が実感できます。

見た目に姿勢が良くなったとか、ワイシャツや上着が窮屈になったなどという感想は例外なく聞かれることです。
もちろん最初は重く感じた重量が、とても軽く感じられ、一枚二枚とピンをさす位置が変わってくるでしょう。

15年くらい前ですが、捕手として入団してきた選手が、親しくさせていただいていた当時のコーチに連れられて、以前使用していた施設を訪れてくれたことがありました。

もちろん私などよりはるかに筋力のありそうな体つきでしたが、このラットプルダウンはどうやっても私の方が重い重量を軽そうにやって見せることができたのです。

彼はむきになって力んで引き下ろそうとしますが、まさに腕の力だけでやっているだけですから、結果として重量も動作も、私の方が勝っているように見えるのです。

もちろん説明はしましたが、彼は残念ながらそのことには気付いてくれなかったようで、重量回数のトレーニングを続けたようでした

それだけが原因ではないと思いますが、数年でプロの世界から消えていきました。

以前にも紹介したように、重いものが持ち上げられるようになった、回数がこなせるようになった、結果として体重が増え体も大きくなったというレベルの効果で、実際のスポーツ動作の改善や競技成績が向上できるのであれば、ベースになっているレベルが低かったというだけのことです。

さらにその上を目指したいのであれば、もっともっと細かい動き作りに目を向ける以外、我々日本人が世界と戦う体を作ることなどできるはずはありません

自分の目標がどこにあるか、肉体改造ということばに踊らされて、進む方向を間違えないでほしいと思います。

動きが洗練されてくると、当然扱える重量が増えてきます。

同じ意識で同じように動かしているつもりでも、筋力は確実に強化され可動域は広がり、しなやかで強い、まさに動ける体が出来上がっていきます。

言葉で説明するのは本当に難しいことです。

私はこのブログの閲覧者が、毎日1000人を超えるようになったら、東京かどこかで100人くらい入れる会場を借りて、直接自分の体でやって見せる講習会をやりたいと思っています。

現実的な数字ではありませんが、私の理論に共鳴してくれる人が一人でも多く、一日でも早く増えてほしいと思っています。

このままでは〇〇トレーニングという流行が、次から次とやってきては消え、結局は何が大事だったんだという現実が延々と続いてしまいます。

どうにかならないでしょうか。


ブログを読み、私に興味を持っていただいた方から、、直接話を聞きたいというコメントをいただいています。
残念ながら、新しい施設を準備中で、一か月先の予定も立てられない状況です。
まずは私のどういうところに興味を持っていただいたのか、何を聞きたいのか、コメントを通してやり取りさせていただければ、他の読者の方々にも参考になると思うのですがいかがでしょう。

もちろんほかの方々にも、ご意見やご感想をお寄せいただき、できるだけ一方通行にならないようにしたいと思っていますので、よろしくお願いします。
スポンサーサイト

Trackback

Comment

Post a comment

Secret


プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
「第25回西本塾」を11月18・19日の土日に開催を予定しています。
詳細はStudio操ホームページ内の「講習会情報」をご覧ください
尚、深める会も12月10日に予定しています。

最新記事

カレンダー

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

カウンター

検索フォーム

QRコード

QR