「伸kingトレーニング」が目指す、伸筋優位の体の使い方。クリスティアーノ・ロナウドのゴールパフォーマンスから見えてくるもの。

広島市内、今日も雪が降っています、ここ沿岸部では昨日のようなことはなく、ほぼ影響はありませんが、少し北側の市内中心部や山沿いの地域では影響が出ているようです。

運が良いというか、私の仕事を日・月と休日としているため、こうしてゆっくり過ごすことができています。

せっかくなので、昨日の続きを勢いに任せて書いておこうと思います。

昨日は私のトレーニングを行ってもらうためには、「体づくりから動きづくりへ」、トレーニングを行う根本的な考え方を変えてもらわなければならないことを述べました。

抽象的な表現ではありますが、少しは言いたいことが伝わったと思います。

では動きづくりのトレーニングとは何なのか、そのキーワードが、「屈筋主導ではなく、伸筋重視の体の使い方」という言葉です。

あくまでも私の私見ですが、これまで30年近く筋力トレーニングというものに接してきて、そのトレーニングを行った結果得られる筋力の多くは、関節を曲げる時に使われている「屈筋群」のものであって、本来肉体が外部に向かって筋力を発揮し伝えて行く「伸筋群」ではないと感じてきたのです。

もちろん、解剖学的にいうと〇〇筋は、〇〇関節を伸展させる筋肉であると定義されているものはたくさんあります。

一つの関節に対して、最低でも一つずつはその関節を曲げるための屈曲を主な仕事とした筋肉と、関節を伸ばすための伸展を主な仕事とした筋肉の二種類が存在します。

ですから、その伸展を主な仕事とした筋肉に対して負荷をかけるトレーニングを行えば、伸筋と呼ばれている筋肉のトレーニングはきちんと行われていることになります。

ところが、そういうトレーニングを行っているにもかかわらず、拮抗する屈筋群の方が主に働いてしまい、本来の目的を果たせていないということに気づきました。

それはたんに筋肥大という結果のことではありません、ボディービルダーの方々はすべての筋肉を極限まで発達させることを目的としてトレーニングを行い、その結果をコンテストで競い合っているのですから、伸筋もきちんと鍛えているということになります。

私が言っているのは、器質的な変化、筋肥大の問題ではなく、体全体をどのように連携連動させていくかという、機能的な問題なのです。

きちんと伸筋のトレーニングを行っているのに、なぜ連動がスムーズにいかないのか、いわゆる力みを感じる動きや、一歩目が出にくく居着いてしまうような動き出ししかできない、キレを感じない動きになってしまうことです。

たとえがオフシーズンには、重量や回数を増やしたトレーニングを行い体づくりを行ってから、シーズンに向けて競技動作に近い動きのトレーニングに移行させていく、期分けという考え方もあると思います。

ところがその発想でトレーニングを行った場合、大きな弊害があることに気づきました。

トレーニングをマシンを使って行う場合、筋力の発揮方向、関節の運動方向が一定に制限されてしまうことです。

同じ種目を何セットも行ったり、1セットの中での回数を限界近くまで行うようなやり方をしてしまうと、関節の動きはその一方向に限定され、関節を動かす筋肉はまさに一定の方向の収縮を繰り返すことしかできなくなってしまいます。

そうやって一つ一つの筋肉を鍛え上げ、素晴らしい見た目の肉体を作り上げることが出来ることは間違いないのですが。

私はそう思ってからのここ数年、一つの種目を1セットしか行わせないようになりました。

計算しつくした順番で、一つの種目を1セットずつ、なるべく長いインターバルを与えずに行うことを求めています。

このことはまた後で出てくると思いますが、今日は私が大事だと思っている伸筋のトレーニングが、これまでの方法では目に見える成果を挙げられていないのではないかということです。

それに関しては早い時期から気づいていました。

トレーニングを行う際、ほとんどの場合器具を指でしっかり握らなければならないからです。

「折れない腕」という名前で紹介した、屈筋と伸筋の大きな筋力発揮の違いを覚えていてくれていると思いますが、脳が企図し、神経を介して末端の筋肉まで指令を届ける時、その途中に位置する筋肉にも、同じ方向性の指令が届いているということです。

手のひらをしっかり握ってグーにしなさいと言う屈曲の方向の脳からの指令は、途中の肩関節や肘関節に対しても同じく屈曲と言う方向性を指示しているのです。

ですから、しっかりグーに握れと手のひらに指令を出しておいて、肘には曲げられないように頑張れと言われても、それは出来ない相談で、怪しい気の力でも何でもなく、人間の体の単純な仕組みだということです。

と言うことは、このマシンは私が重視している広背筋を鍛える種目ですと書かれている、ハイプーリーやシーテッドローイングという種目を行う際にも、それを行うためにはしっかりと持ち手を握らなければトレーニングが行えないということです。

そのため広背筋に対する刺激が、下手をすると肘を曲げることが仕事の、上腕二頭筋が主役になってしまう恐れがあるのです。

とくに我々日本人は、農耕民族としての長い歴史から、体の後ろ側とくに広背筋の機能が欧米人に劣るところがあり、どうしても屈筋に頼る傾向があります。

ここで今日の副題とした、レアルマドリードのクリスティアーノ・ロナウド選手のゴールパフォーマンスがイメージされました。

ゴールを決め走り出した彼は、ジャンプして着地した瞬間に天を仰ぎ、両足を大きく開き、体を真っ直ぐに立てます。

その時の手はどうなっているでしょうか、両手は指先まで伸ばし、足と同じくらいの幅で腰の横に開き、地面に突き刺すように全身を伸ばしています。

まさに全身の伸筋をすべて強調することで、自らの能力を誇示しているとは言えないでしょうか。

日本人でも彼のまねをする選手があるようですが、同じポーズを行った次の瞬間、体を丸めて前側の筋肉を誇示するようなポーズに変わります。

これこそまさに、日本人と欧米人の力を感じる感覚の違いではないでしょうか。

ガッツポーズという言葉を生み出した、ボクシングのガッツ石松選手の動きと比べれば一目瞭然です。

体格に劣る日本人選手が、体づくり肉体改造と称して筋力トレーニングを行った結果、求めるサイズには届いたかもしれませんが、本来求めなければならない選手としての能力向上、動きの良さという面はどうなのでしょうか。

日本で活躍した選手が海外に渡ると、思ったような活躍が出来ていないという現実は、ここにも一つの原因があるような気がします。

体力・筋力で負けてなるかとトレーニングに励み、気付いたときには屈筋ばかりが使われる体になっていた、そんな気がしていました。

現実に海外の選手は同じ種目を行っても、当然のように背中がうまく使われており、前側の筋肉に頼ってはいません、それは動きを見るだけではなく、表情からも読み取ることが出来ました。

我々日本人がしなければならないのは、「骨盤と背骨をいかにうまく連動させられるか、そのために最も必要なことは、背骨を動かすという意識のもとに行われるべきである」、と言うのが私の結論です。

では握らないでどうやってトレーニングを行うかということになります。

確かに持たないでトレーニングを行うことは出来ません。

そこで考えたのが、本来高重量を扱うときに使用するパワーグリップと呼ばれるものを使って、できるだけ握力に頼らないでトレーニングを行うと言う方法です。

イメージが湧きにくいと思いますが、実際に行ってみると屈筋に頼って素手でしっかり握って行うよりも高重量が扱えたり、同じ重量が軽く感じられ、伸筋群を有効に使った方が効率が良いことが実感できます。

「握らない」は「力まない」にも通じます。

1種目1セットしか行わない、握力を使ってしっかり握らず、パワーグリップを使っていかに屈筋を使っているという意識を消して伸筋に刺激を伝えるか、これが「伸kingトレーニング」の具体的な方法論です。

今日は日本人と欧米人の基本的な背中の使われ方の違いに着目し、屈筋に頼らないトレーニング方法を模索した結果、こういうやり方を思いつきましたという所を書きました。

ロナウド選手の動きは当然すべての動きにおいて力みのないしなやかさを感じます。

加えて力強さも持ち合わせ、それを状況に合わせて自分でコントロールできるのですから、世界一のプレーヤーであることに異論はありません。

鹿島との試合でも、延長戦に入ってからここぞという時の動きの鋭さは、たんに持久力があるとか筋力があるとかいうことではないと思います。

天は二物を与えずと言いますが、彼は努力によってそれを得てきたのだと思います。

「伸kingトレーニング」大事だと思います。

また思いついたら書きます。

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを始めました。
4月15・16日の二日間西本塾を、予定しています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の講習会情報をご覧ください。

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