「伸kingトレーニング」の目指すところと、その効果。

体調不良で長く布団の中で過ごしましたが、そんな中でも頭の中ではいろいろなことを考えていたので、忘れないうちに記事にしておきます。

これまで「伸kingトレーニング」の概要をランダムに説明してきましたが、今回は一気にその効果というか、トレーニングによって何がどう変わるのかという部分に触れておきたいと思います。

このトレーニングは、ずっとテーマとしている「体づくりから動きづくりへ」という発想の転換を元に、人間が本来持って生まれた能力を余すことなく発揮できるようにするために考えてきたトレーニング方法です。

こういう表現ではまったくイメージができないとは思いますが、まずはこのことが基本となります。

現在夜間のトレーニングに参加してくれているのは、中学3年生の男女と高校2年と3年生の男子選手、合計4名すべてサッカーをやっている選手たちです。

私がこのトレーニングを企画したのは昨年の9月半ばでしたから、一番長く続けてくれている2人でも、まだ5ヶ月に満たない期間ということになります。

週に2回から3回のペースで来てくれていますので、一番多く通っている彼らで、回数にすると70回くらいになるでしょうか。

そう考えると付き添ってくれるお母さんも含め、ファミリーのような感覚になっています。

兄のヒカル君のプレーは全国大会の予選も含め、3試合を直接観戦することができました。
元々能力は高かったとは思いますが、私がテーマとして掲げていることや、試合を見て私が必要だと感じて指導した動きも、すぐに身につけてくれて試合で活用してくれました。

また妹のアイコちゃんは、それまで所属していたチームの練習を離れ、受験勉強とトレーニングに時間を割り振っていたため、トレーニングの成果をなかなか実感することができませんでした。

しかし、受験勉強が一段落してから、トレーニングとサッカーの練習を並行して行うようになった時、3ヶ月のブランクがあったにもかかわらず、本人が驚くとともに、練習を見に行っているお母さんや、仲間たちからも驚きの声が上がるほどの変化を見せてくれているそうです。

こちらは直接見ていないのですが、話し振りからその変化を容易に想像することができます。

2人は口を揃えて、「サッカーが色々な意味でこれまで以上に好きになった、楽しくて仕方がない」と言います。

ではこの兄妹の何が変わったのか、それを説明することで、私のトレーニングの方向性や成果を感じてもらうことができると思います。

まず私のトレーニングを行ってもらう時、しつこいくらいに各トレーニング種目のフォーム・体の使い方や、どういう意識で体を使うかという部分を強調して指導します。

そのためにはどうしてもマンツーマンに近い状況が必要となります。

少しづつそれが形になってくると、必然的に扱える重量が増えます。

重いものが持てるようになることが目的ではなく、自分の体を思ったように動かすために必要十分な重さを設定していくということです。

重すぎてもダメ、軽すぎてもダメ、正しい動きで正しい刺激を求めて行くのです。

当然ですがそれらのトレーニングを継続することによって、体重や体のサイズにも変化が現れて来ます。

ヒカル君は既に5キロ体重が増え、そのほとんどは筋肉の肥大によるものと思います。
とくに上半身は、お世辞にも高校サッカーの名門チームのエースとは思えない貧弱な体でしたが、4か月を過ぎた今、見違えるような体になって、誰がどこから見ても立派なスポーツ選手の体型となっています。

体づくりではなく動きづくりのトレーニングを行った結果が、本来の目的である動ける体というものを作り上げてくれたうえに、副産物というか当然の結果として、求める動きを行うことができるだけの筋肉の肥大ももたらしてくれたというわけです。

妹のアイコちゃんも同じです。
女の子ですからあえて数字は出しませんが、小柄で本当に可愛かった彼女でしたが、今では敬意を込めて「モンスターアイコ」と呼んでいます(笑)

体の変化はもちろんですが、トレーニングのフォームが良くなったり、重量が増加してパワーアップしたことを喜ぶのなら、私のところへ来た意味がありません。

彼らが行うトレーニングの目的は、サッカーが上手くなりたいという一点ですから。

ではその最終目標であるサッカーが上手くなるとはどういうことなのでしょうか。

私が考えたその理想形は、まずは90分間頭と体を使い続けるという能力であり、そのために必要な走り方を身につけるということです。

さらには自分が意図した方向に、誰よりも素早く動き出して行ける能力、動きながら走りながら周りを見通し、次に何が起こるか、自分が何をしなければならないかを瞬時に判断する能力も必要です。
さらには動きながらボールを止める蹴るという基本動作はもとより、対人間というコンタクトスポーツとしての能力も必要となります。


まずは理想を掲げ、どうすればそこに近づけるのか、その階段を説明していきます。

とくに対人間のプレーに関しては、たんなるフィジカルと言われている能力よりも技術に近い方法を指導します。

いわゆる「技」と言っても良い部分です。

とは言っても「技は力の中にあり」という格言もある通り、技を活かせるだけの基礎的な筋力は当然必要となります。

そのために行なっているのが「伸kingトレーニング」だという繋がりになっていくわけです。

技を活かすための力、それを会得するためには様々なドリルを行って、技と力の架け橋としなければなりません。

それらすべてを完成させ、自信を持って指導していますので、継続のふた文字が条件とはなりますが、やる気があれば誰にでも習得可能な能力だと思います。

彼らがプレーをして楽しいと感じているのは、自分のやりたいこと意図したことそのままに体が勝手に動いているというか、こういう風に体が動き出してくれたらいいな、こんな時にこんな動きができたらいいなと思い続けてきたことが、いつの間にかできるようになってしまっていたからです。

他の選手より一回り小さなアイコちゃんが、大きな選手たちに対して当たり負けすることもなくボールをキープしたり、素早い出足でボールを奪ったりと、そんなことができたら楽しくないわけがありませ。

数年前のことですが、シーズン前のトレーニングでこの走り方を指導していた時、ベテランでお世辞にも足が速いとは言えない選手がこんなことを言いました。

「今までの自分は、本当なら5mいや3m前でプレーしているイメージなのが、実際には5m、3m後ろにしか体を運べていなかった。それが今この走り方で走っていると、まったく逆で思った以上に体が前に進んでしまい不思議な感じがする」と言い出したのです。

さらには「これならサイドバックもできそうです」の言葉に、一緒に聞いていた監督から、「それだけはやめてくれ」と突っ込まれて大笑いしたことがありました。

それくらいインパクトがあるのです。

力んで地面を蹴り上げて走るのではなく、静かにスルスルっと動き出してスピードに乗っていくのですから、これまでの常識では考えられない結果となります。

これはもう体験した人間にしかわかりません。

この走り方をベースとして、前後左右のターン動作、相手を抜き去る時の体の当て方、相手を背負った時の外し方、逆に絶対に外されない体の当て方など、彼らにとってというより、サッカーを長くやったきた人たちにとっても目から鱗の体の使い方ができるようになることこそが、私が求めている「伸kingトレーニング」の最終的な目標です。

そのためには基本的な体の仕組みに沿った、このトレーニングは必須条件となります。

人間の体の重心位置が股関節、具体的には大腿骨の大転子と呼ばれる部分であることを、股関節スクワットで実感させたり、ターン動作における意識は背骨を軸としたものではなく、ターンする側の脇腹で引っ張るように回れるようにするために、メディスンボールとバランスボールを使った反転動作のドリルを行わせたり、走るという行為に直結する股関節の伸展動作を強調するために、バランスボールを使ったランジ動作を行わせたりと、すべてがその後行うドリルへ、そして実際の競技動作につながっていることを、トレーニングを続けているうちに自然に理解し、そして身についていきます。

地面を蹴らない動き出しの動作に関しては、捻転からの引き起こし動作が必須となりますが、これもトレーニング動作の延長線上のことであり、人を外す動作も同じイメージで、落下・捻転・重心移動の3つを瞬時に行わうことで成立する技ですので、トレーニングの継続無くして身につけることは不可能です。

短時間の講習会で指導したとしても、気づきは与えられたとしても、それで実戦に使えるほど簡単なものではありません。

今指導しているのはサッカー選手たちですが、私の好きな野球、とくに投手の投球動作やバットスイングについてもまったく同じで、その他のスポーツ競技にもすべてに応用できます。

最終的にどこに結びつけていくかという問題だけで、ドリルの部分が変わってきます。

カープの若手投手の指導もしましたが、彼らに足らないのは自分の体をどうやって使えば、彼らの優れた身体能力を十分に発揮し、強く正確なコントロールを身につけることができるのかという、最も基本的な部分がわかっていないことです。

残念ながらその部分を指導できる指導者がいないために、監督自らが選手の指導を依頼してくることになるのです。

現監督は、現役先晩年に1年間指導を受けにきてくれました。
腰痛の持病に苦しみ少しでも良い状態でプレーしたい一心でした。

それが引退して指導者になってからも私の指導を受け続けてくれたのは、本来人間の体とはどういう風に使うべきなのかをもっと深く知りたいという彼の探究心からでした。

彼は野手出身ですが、佐々岡投手の行なっていた投手のトレーニングにも興味を示し体験してくれたことで、より私の理論の正しさを理解してくれたようです。

その結果として選手の指導を依頼してくれているのだと思います。

どんなことも同じだと思いますが、ただ頑張れ頑張れ、毎日一生懸命頑張っていますというのは、どちらもただの自己満足で、結果が出たとしてもそれは偶然です。

正しい方向性を見出し、目標設定を行うことなしに、努力という言葉をいくら使っても意味をなしません。

私は今の方向性に自信を持っていますが、さらに良い何かがあるかもしれないと、常に試行錯誤を続けています。

正しい理論に基づいた方向性を持ち、それを理解させながら、人間の持って生まれたそれぞれに備わった能力を余すことなく発揮できるための準備としての、「動き作りのためのトレーニング」を行い、実際に最終目標とする動きを獲得するための様々なドリルを行い、それらを継続することで確実に目標に近づくことができます。

「伸kingトレーニング」の目指すところと、その効果、わかっていただけたでしょうか。

数年前の出来事から、サッカーという競技の体の動きを真剣に考えるようになりました。

私がたどり着き、さらに試行錯誤を続けている体の使い方は、どんな選手に対しても劇的な変化を起こすものです。

この考え方無くして、大きな変化を望むことは難しいとさえ思っています。

いつか必ず私の思いが広がって行くことを信じています。

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
「第25回西本塾」を11月18・19日の土日に開催を予定しています。
詳細はStudio操ホームページ内の「講習会情報」をご覧ください
尚、深める会も12月10日に予定しています。

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