トレーニングの目的

私が個人であれチームであれ、トレーニングの指導を依頼された際、最初に必ずミーティングを行います。

今年の1月にも2グループに分けて、それぞれ90分の時間をかけ、川崎フロンターレの全選手を前に「西本理論」の講義を行ってから、トレーニングの実技に移ったことで、選手たちの理解度は確実に増したと思いますし、実際のプレーの中でも、どこかであのミーティングの内容とリンクして思い出してくれていれば嬉しいのですが。

競技レベルのスポーツ選手であれ、一般の方の健康維持増進ということであれ、私の指導を受けてまでトレーニングを行うからにはそれぞれ大きな目的があるはずです。

私としても、トレーニーとなる方がどういう目的で、どういう意識で私の元を訪れたのか、きちんと把握しておかなければなりません。

少なからず普段の生活ではありえない負荷を体にかけるのですから、最低限の覚悟というのも必要となります。
トレーニングをしてどうなりたいのか、どんな効果を期待しているのか、こちらから質問します。

野球やゴルフの選手であれば、単純にボールを遠くに飛ばせるようになりたい、速いボールを投げられるようになりたい、そのためには筋力アップが欠かせないと思う、トレーニングを行うことで体が強くなり、ケガをしにくい体を作りたい、基礎体力が不足しているので体全体のパワーをつけたい、大体こんな感じで話をしてくれます。

相手が高校生くらいまでの年齢であれば、うんそうか頑張ろうねと、それ以上難しい理屈を並べて彼らの頭の中をを混乱させる必要もないかもしれません。

しかし、それ以上の年齢で目指しているレベルが高くなればそうはいきません、自分の口で話をさせておいて、いよいよ西本理論をぶつけていきます。

高校生がパワーアップして、外野の頭を越えなかった打球が超えるようになりました、程度の効果でいいのなら特に難しい理論も、トレーニング自体の内容も、少し知識がある程度の方でも十分指導できるでしょうし、効果も感じてもらえると思います。

たとえば投手がボールを投げる時の腕を振る動作、今では150キロを超えるスピードを出せる投手は珍しくありません。

その投手の上半身の筋力、例えばベンチプレスの拳上重量が1年間のトレーニングで50キロしか上げられなかったのが80キロへと60%向上したとします。

もともと110キロのスピードしか出せなかった投手が、60%増しの176キロのボールを投げるなんて不可能ですよね。
これは単純な計算上の問題で関係なさそうに思われるでしょうが、さらに肘を曲げ伸ばしする上腕二頭筋と三頭筋の筋力、筋量も明らかに向上し、もの凄く太く力のありそうな腕になったとします。
握力も40キロから60キロにと、すべてにわたって当初の目的は果たせたかのように感じます。

もし私が高校生のチームの指導を依頼され週に1度の頻度で指導したとして、チームの平均値でこれくらいの向上が見られれば、依頼した側から見れば願ったり叶ったりで、報酬にボーナスでも加えていただけるかもしれません。
そして毎年選手は入れ替わるわけですから、同じ作業を毎年繰り返せばいいだけのことで、ある意味簡単なことです。

それはベースとなる筋力が低かっただけのことで、一定レベルに達すればそこからは数値上の大きな向上は望めません、プロレベルの選手のトレーニングというのは、ここからどういう方向へ目標設定して指導できる能力があるのかというのが、指導のプロとしての腕の見せ所になります。

もう一度腕を振る動作の話を戻しますが、利き腕を肩の高さ以上に構えて、自慢の腕っぷしを最大限に利用しこぶしを強く握りしめた状態で、腕を目いっぱいの力で強く振ってみてください。

今度は同じ構えから、こぶしは握るでも開くでもないゆったりした状態で、腕を振ってみてください。

いかがですか、どちらが腕を鋭く早く振ることができましたか。

リラックスして力を抜いた状態のほうが明らかに早く振れましたよね。

それじゃトレーニングなんてする必要はないじゃないか、ということになりませんか。

そうではないのです、だからこそトレーニングは必要なのです。

今日はここまで、次回に続きます。

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
「第25回西本塾」を11月18・19日の土日に開催を予定しています。
詳細はStudio操ホームページ内の「講習会情報」をご覧ください
尚、深める会も12月10日に予定しています。

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