それぞれの可能性を信じることから始めよう。

先日、ツイッターとフェイスブックに「アメンボトレーニング」の動画をアップしたところ、けっこう驚きの感想をいただきました。

西本塾では何度か実際にやって見せていますが、なかなか大変な動きで、そう簡単にできるものではありません。

若い頃ならいざ知らず、夏に59歳を迎える私の年齢にしては、それなりにすごいと思ってもらえるインパクトはあるかもしれません。

私の指導のポリシーは、「自分ができないことは人には教えない」ということです。

もちろんそれぞれの競技動作をすべて私が出来るわけではありませんので、そのために必要な「伸kingトレーニング」や走りのドリル、また野球の投球動作など、文字や言葉で説明しても絶対に伝わらないものは、私が目の前でやって見せる以外に伝える方法がないからです。

昔は出来ていたではなく、今、目の前で見せなければ意味がないので、それなりにトレーニングを継続し、こういうことも今でもできますよというアピールのつもりでした、私自身にもまだまだ可能性は残っているということです。

さて、今週末、久し振りに「西本塾」を行います。

久し振りといっても、昨年末に行っていますから4カ月振りくらいのことです。

それでも昨年までは隔月で西本塾と深める会を行っていましたので、私にとっては暫くあの緊張感の中にいることがなかったので、ずいぶん間が空いているという気がしています。

今回から、初参加の方と複数回参加している人を区別しないで、同じ空間の中で学んでもらうことにしました。

意図は色々ありますが、複数回参加の人にはその意味がすでに分かっているかもしれませんね。

そして、定期開催を中断し、今回のように不定期で開催を告知したら、あわてて申し込んできた人もいましたが、受講動機を読んで、やはりそれぞれの方の意欲というか目的意識に温度差は感じています。

昨年末から今日まで、あまりにも色々なことがありすぎて、それもプライベートな愚痴になりそうな部分が多く、ここではあまり語れませんが、西本塾を改めてやってみようという気持ちになったのも、そんな一つ一つの出来事の積み重ねからでした。

中高生相手のグループトレーニングでは、私が当初考えていた以上の成長を見せてくれました。

また日々行っている施術の分野でも、さすがにこの状態では思ったような変化をさせられないと感じた方の体も、同じように良い意味で私の想像を超える変化を見せてくれる人がたくさんいました。

もちろん、思ったような変化をさせられず、お役に立てない方もありましたが、年齢や初診時の状況が、申し訳ありませんが厳しいと言わざるを得ない人も何人かありました。

どんなことでもそうだと思いますが、縁というかタイミングというものが整わないと、せめてもう何年、いや何か月か早く出会えていれば、何とかできたかもしれないという方もありました。

逆にご本人が諦めてしまっていたような状況でも、こんなに劇的な変化があるんだと、私自身が驚かされることもありました。

何にしても、縁あって出会った方に出会ったタイミングから、私のできる最善を尽くすという意味では、どんな方にも同じ気持ちで接しています。

トレーニングの指導や施術から、私がずっと考え続け追い求めている、「人間の体の仕組み」というものがだいぶ見えてきたように思います。

今以上の能力を身に付けたいとトレーニングを行うことも、体の不調を訴えそこから逃れたいと施術を行うことも、まったく同じ人間の体に対して、「正しい刺激」を加え、その反応を見極めて行くという作業なのだと思います。

私が既成のトレーニングに疑問をもったのは、一般的には客観性があると言われている数値を、トレーニングの効果として設定している選手には、本人はもちろん指導者が企図した、本来求めなければならない効果が出ていないと感じたことからでした。

過去記事にも何度も書いてきましたが、「筋力が弱いから強くしたい、体が細いから太くしたい」、ということが目的で行ったトレーニングであっても、それなりの効果を得ることは可能だと思います。

とくにアマチュアレベルというか、育成年代ではそう信じられていますし、間違いではないと思います。

もし同じ年齢同じような体型で、筋力もそれほど変わらない複数の選手に対して既成の理論でトレーニングを行った場合、その効果は同じものが得られるのでしょうか。

取り組む姿勢の違いや、様々な環境因子もあって一概には言えませんが、トレーニングの効果自体にもばらつきが出てくると思います。

ではプロレベルで、同じような発想でトレーニングを行ったとしたら、その目的はやはり客観性のある数値の向上になるのでしょうか、またそれらが向上することと、本来の目的である競技自体の能力向上は、トレーニングの効果と比例しているのでしょうか。

そんなことばかり考えながら30年近い月日が流れて行きました。

そして最近になって、トレーニングの指導や施術行為の効果に、私なりの自信というか確信めいたものが見えてきました。

人間の体には無限の可能性があるということに気付かされたというか、私ごときが可能性に蓋をしたり、能力の限界を決めるなど思い上がりでしかないということに気付いていきました。

サッカー選手であれば、私が指導すれば全員がJリーガーになれるとは言いませんし、逆に日本のトップ、いや世界レベルの選手には成れないとも言えません。

私が指導できるのは、それぞれの人間が持って生まれた体のからくりに沿った動き方を、自由に使いこなせるようになってもらうことです。

そのキーワードにしているのが「背中を使う、背中で動く」という抽象的な表現にはなりますが、私が見て背中を使えているという選手はほとんどおらず、また、私が良い動きだと認めるような選手だとしても、本人にはまったく自覚がないため、いわゆるスランプという状態にも陥ってしまうこともあります。

それらを、客観的とは言えないと言われるかもしれませんが、少なくとも指導している私と選手本人の感覚の中では、十分な意思の疎通ができ、共通言語で確認がし合えるレベルになることで、十分これまで以上の動きができるようになると確信しています。

「背中を使え」「背中で走れ」、言葉としては使っている指導者もいるとは思いますが、その言葉の本来の意味を選手と共有できていると自信を持って言える指導者はどれくらいいるのでしょうか。

私が提唱する体の使い方、とくに走るという行為の体の使い方は、私が納得できるレベルに達するのはなかなか難しいと言わざるを得ません。

ただみんながみんなそのレベルに届かなくてもいいと思います。

選手の置かれた現状や求めるレベルに応じて、どこまで理解させ表現できるようになれば成功と言えるのかは、大きく違ってくると思います。

私から見て、もっと上を目指せるはずなのになぜこんなレベルで満足しているのだろう、という選手もたくさんいます。

逆に、まったく理解できていないのに、こんなものかと納得してしまう選手もいます。

最終的には選手本人の問題ですからどこまで取り組むかは何とも言えませんが、私は理想の動きを常に追い求め、それを妥協せず伝えて行きたいと思います。

そんな中で3か月から半年と期間は違いましたが、週に3回から4回、真剣に学び続けてくれた中高生には無限の可能性を感じました。

私が指導したことが基礎になって、これからどこまで伸びて行ってくれるのか、本当に楽しみです。

ただ近況が送られてくる中で、送り出す時に危惧していたことが現実となり、私の力ではどうにもならないことで残念に思うことがあります。

それはそれぞれの環境で始まったトレーニングの目的が、体をいじめるということにしかなっていなと言わざるを得ないものを、強制させられることです。

もちろん伝統なのか、どこかの誰かが指導したメニューなのかは分かりませんが、そのトレーニングを行うことでサッカー選手にとってどういう効果があるのかという、明確な目的意識を選手が持てない種目がたくさんあるということです。

ここを議論すると、そういうことを行わせている人たちにも言い分はあるのでしょうが、体に負荷をかけしんどい思いをさせるなら、お互いが明確な目的を持ち、意図を共有し納得させて行ってほしいと思います。

無駄にきついだけだと感じるトレーニングも、きちんと意味を理解できれば取り組む姿勢は変わってくると思います。

私の行う走りのドリルなど、きついという感覚とは別の意味で、まったく何をやっているのか分からない動きがありますが、一度では理解できませんが、ドリルを繰り返すことで実際の動きとリンクされ、動きの意味や必要性は誰にでも理解できるようになります。

器具を使ったトレーニングも同じです、数値や回数の負荷の意識を持たせないので、最初は達成感というか能力の向上が見えにくいのですが、少しずつ体と頭が理解してくれ、加えて実際の競技の動作のドリルの動きに変化が出てくることで、トレーニングの方向性が正しいものであることを納得できるようになります。

ここにも大きなキーワードである「継続」という言葉が必要になってきますが、私の指導では時間や回数に制限があるからと、安易に枝葉の効果を求めず、時間をかけて私の理論から実践のすべてを伝えるようにしています。

そのすべてという部分を、本当に必要としている選手が実際にいるのかというのも、これまた問題です。

自分はここまでは出来ているから、あと少し私の持っているノウハウを教えてくれればいい、そう思う選手が多いことも仕方がないことかもしれません。

私が求めている能力は、それぞれの人間が持って生まれた能力を余すところなく発揮できるようにしてあげるということですから、まさにオンリーワンを目指しています、加えてその能力をさらに向上させることで、ナンバーワンをも目指させています。

ただ選手本人がどこに目標を置くかによって、私から学びたいものがまったく違ってきます。

そういう意味で、私は出会ったこともない競技の選手であっても、彼らが求めるレベルには持って行けると思っています。

それは私がこれまで出会った選手たちに中に、私の知識や経験、方法論、また頭の中にある発想を総動員してもなお、どうやったらこの選手をオンリーワンに、そしてナンバーワンに成長させられるのかと、思い悩ませてくれる対象に出会えていないからです。

いやこれまでもそういう選手たちとの関係の中でそういう経験を積み上げてきたのではないのか、そうではあるのですが、瞬間瞬間にアイデアが湧いてきて、行き詰ることがなかったという意味です。

もちろん私の考えを理解し実行し継続してくれなければ話になりませんが、それでもどうやったらこの選手を成長させられるのだろうと眠れないくらい頭を悩ませてくれる選手は現れてくれないでしょうか。

指導を依頼されることなど、現実には絶対にありえない選手をイメージして、常に頭の中でイメージを膨らませてきたので、それに近い選手からの依頼に対してもまったく臆することはないし、新しい何かを用意する必要もありませんでした。

結局は、私から何を学びたいか、自分がどうなりたいか、その目標が私にとってやりがいを感じさせてくれるものでなければ、選手の有名無名は関係なく、私が熱くなって感情移入ができるはずがありません。

指導した中高生のように、すべてを吸収してくれるどころか、新たな発想を展開させてくれるような関係が築ければ、どんなレベルの選手にも、成長の伸びしろは十分に残っていると思います。

西本塾ではただの理論や実践方法だけではなく、私の実体験がたくさん語られますが、今回もたくさんのことをお話しできるのではと思っています。
しっかり吐き出して頭を整理し、また次回行いたいと私自身が思えるような、西本塾にしたいと思っています。

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。

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