西本塾参加者からの感想③もう一つのメインテーマ「走るという行為の体の使い方」は指導が届いていたか。

前回の記事で催促してしまった感がありますが、今回の西本塾のもう一つのテーマ、「走るという行為の体の使い方」をどう伝えるか、受講してくれた人たちにどう伝わったかということが一番気になっていました。

それに対する感想を、これから紹介する阪本さんから是非聞きたいと思っていました。

阪本さんから届いた受講動機に書かれていた内容は、市民ランナーとしてサブ3を達成し、さらに目標をもって記録を縮めて行きたい、そのために私の提唱する走り方を学びたい、ということが書かれていました。

これまでも多くの市民ランナーが私の指導を受けに来てくれました。

これまでも今回と同じように体の仕組みを説明し、なぜ私が走るという行為に対してこういう考え方に至り、実際の体の使い方を作り上げてきたのかということはきちんと伝えてきたつもりでした。

しかし、そんなことより実際の走りの実技に気持ちが行ってしまい、後に残るのは、指導した走り方が出来たか出来なかったかということにしかなっていないと思わざるを得ない人がほとんどだったのです。

枝葉どころか、何とか花を咲かせたいという気持ちは分かります。

しかし、そのために必要なことは、私がなぜこう考えるに至ったのか、そしてそれを実際に形にするためには、まずは基本となる体の仕組み、とくに大腿骨がクランク状の形状で骨盤と関節しているという事実をきちんと知ることから始まります。
それを有効に活用するためには、動きづくりのトレーニングが必要であり、その体を使っていくつかのドリルを正確に行えるようにならなければ、絶対に到達することができないということを理解させるということをしなければ、私がやっていることは本当に相手のためにはなっていないと痛感していました。


今回是非その部分を伝えたい、サブ3という市民ランナーの憧れのタイムを記録している阪本さんに、正しくそれらを伝えることができなければ、これ以上の記録更新は望めない、それどころか私の指導していることはやはり机上の空論と言われかねません。
私にとっても絶好の対象が来てくれたと小躍りして待ち構えていました。

前置きが長くなりましたが、阪本さんから届いた感想をお読みください。

西本先生、23期生の皆様、本当にありがとうございました。

衝撃の2日間からまだ数日しか経っておりませんが、私なりに資料を読み返したり、送っていただいた動画を見比べる等の試行錯誤を続けながら過ごしております。

ブログだけでは分からないことが学べて西本塾に参加して本当に良かったと思います。

以下にその感想を送らせて頂きます。

数十年ぶりに広島の地に来たときはとても緊張していましたと思います。

「西本先生はどのような方だろうか」と、あたふたしながら広島港駅を歩きガチガチの状態で部屋に入ったら、熱い握手で迎え入れてくれて、ホッとしました。

その後、講義が始まるまでも色々なお話を聞かせてもらって、気がつけば緊張もなくなっていました。

今回、私は市民ランナーとして自らの記録を伸ばすために参加しました。

一方で私以外の参加者の方は施術者の方が多く、他人のため、自らの技術を高めるために参加されており、自分が勝手な理由で来てしまったような気がしましたが、そのような人の考えや技術を吸収できる良い機会だと思い気持ちを再度奮い立たせてました。

そしてこの2日間で大きな2つの衝撃を受けることになるのです(もちろん他にも様々な衝撃はあったのですが)。

始めは、人間の体の構造についての講義でしたが、今までモヤモヤが晴れていくような感じがしたことをよく覚えています。

参加前に先生のブログを読ませては頂いていたのですが、それだけではなかなか内容を理解するまでには至りませんでした。

しかし、徐々に3・5・7理論やアクチンとミシオンを基本とする筋肉の収縮の仕組み、そして、この2日間で先生が何度も言っておられた「人間とは骨盤と背骨でありそれを使って6方向に動かすことが出来る」「筋肉の仕事は骨を動かすことのみ」ということも分かってきました(もちろん、まだ完璧に理解できたとは思っていないのでこれからもっと勉強していかなければなりませんが)。

そして、先生が骨盤と背骨の模型を使って説明してくれたおかげで、「なるほど、そういうことか」「人間の身体はこのようになっていたのか」と感動すら覚えました。

そして、具体的に人間の動く、走る仕組みの話になるとわくわくが止まりませんでした。

先生のブログを読んでいた中で、「骨盤を縦に動かす」「背中(広背筋)で走る」「股関節(骨盤と背骨)と肩甲骨の連動」、それらの意味をずっと知りたかったのですが、先生から模型を使って股関節が自由に動くこと説明してもらい、従来の走り方(世の中の固定概念としての走り方といったほうが正しいのでしょうか)が、大腿四頭筋を2度収縮させている矛盾に気づかされ、股関節を伸展させ広背筋上部を持ち上げて骨盤を引き上げるということを聞いたとき私は、雷に打たれたような衝撃を受けました。

「人間はこうしたら効率的に走れるのか」これが本当の人間の走り方なんだと。

おそらくさっきの人間の体の構造の説明がなかったら、このような衝撃はなかったと思います。

背中で走る、股関節と肩甲骨の連動、足を身体の真下に着地する、確かにそうような記述は多くのランニングメソッド本やコーチが言っていることかもしれません。

しかし、そのほとんどは言葉だけで、それらがなぜ重要かを教えてくれる本や人に出会ったことはありませんでした、そして、実際に見せてくれることもありませんでした。

それらを聞いたことで、すぐに実践で試したいと思っていました。

2日目に入ると、朝から具体的なドリルやトレーニング、そして待ちに待った外で実際に走ることとなります。

そこで2つ目の大きな衝撃を受けます、それは昨日聞いたことが全く実践できないということです。

「手の力を抜け」「地面を蹴るな」、何度言われても間違ったフォームで何年も何百キロも走りこんだ私の中の固定概念が言うことを聞いてくれません。

私としては言われたとおりにしているつもりなのですが全く出来ていない。皆さんの走りをよく見て真似しているつもりでも上手くいかない(後に頂いた動画を見たらひどいものでした)。

先生には何度も厳しい言葉を頂き、他の仲間からアドバイスを貰うも一向に上達しませんでした。

結局、思ったような成果を挙げられず戻ることとなりました。

そのときは本当に悔しくて自分が情けなくなり、昼食も食べる気分ではありませんでした。

午後から操体法の実践を行いました。その気持ちよさに午前中の落ち込んだ気持ちもかなり楽になりました。まさに身体も心もほわっとしてきます。

先生の操体法の本は読んだことがありましたが、「人間とは骨盤と背骨であり、それを使って6方向に動かすことが出来る」ということを意識して行うと、また全然違うものに感じました。

そして気がつけば2日間があっという間に過ぎてしまいました。

本当に充実していたと思います。ブログ等に書いてある西本理論を理解するには、実際に話を聞くのが一番であると痛烈に感じました。

学んだことを消化するには、まだ時間が必要だと思うので何度も復習したいです。

最初にも書きましたが、私は、自らの走る能力を向上させるそのため来ました。

しかし、今私がするべきことは向上というよりも、今までの身体の使い方を見直し、今まで培った固定概念やプライドを一旦捨て去り、一から動き作りをすることだと思います。

早く走る、タイムを縮めるということはとりあえず置いておいて、正しいからだの使い方をマスターしていきたいです。

それが出来たとき自ずと記録がついてくるのではないかと思います。

そのためにも西本塾で習ったドリルやトレーニングであるアイドリング、引っ張り出し、FBT等々は毎日続けていかなければならないことです。

そして何よりすばらしかったことは、西本先生や一緒に参加してくれた仲間と出会えたことだと思います。

初めて会った私のために、必死に熱く指導してくれる人たちは本当に宝です。

私も自らを高めつつも仲間、そして他の人の役に立てるように頑張っていきたいです。

西本先生や23期生の仲間には改めて感謝したいと思います。

今後とも切磋琢磨して努力していくのでこれからもご指導のほどよろしくお願いします。

そして2日間、本当にありがとうございました。

西本塾23期生 阪本修平

いかがでしょうか、私の作戦というと言い方が悪いですが、阪本さんに対して厳しい言葉をかけ続け、ある意味指導を放棄し、すでに受講経験のある植村さんや太田さんに、「阪本さんを何とかしてくださいよ」と、私以外の人間が阪本さんの走りをどう評価するかを直接聞いてもらうことをしました。

阪本さんの記録は、天性の筋力と心肺持久力に負うところが大きいと思います。

まさに私の言う体に無理を強いて、極限まで頑張らせる走り方です。

大腿四頭筋は二関節筋で、股関節に対しては屈曲、膝関節に対しては伸展という役割を持っています。

一般的に言われている、腕をしっかり振って膝を高く上げるという行為を行う時に、股関節を屈曲させるために3・5・7理論でいうニュートラルな5から、3の方向へ収縮します、その状態が続いたまま膝から下をできるだけ前に振り出してストライドを広げようとすれば、すでに収縮状態にある大腿四頭筋を、膝関節の伸展のためにさらに収縮させなければならないことになります。

同じ筋原線維のアクチンとミオシンを既に滑り込ませ、もう収縮させる余裕もない状態のままで、さらに滑り込ませ、極限まで収縮させた状態で、加速して自重の2倍から3倍にもなっている体の重さを、着地の瞬間に受け止めなければならないのですから、筋肉の負担はどれだけのものになるか。

私が走るという行為で、人間以外には筋肉の肉離れなどという状況が起こらないという事実から、思いを巡らせた結果でした。

固定概念の中で、股関節を強く屈曲させ膝を高く上げられるようにするために、様々なトレーニングが考えられています。

それがまったく逆効果になっていると考えたのです。

走るという行為の中で、股関節は常に伸展状態で動き続けることが、創造主が我々人間という動物に与えてくれた能力であり、体のからくりなのだと。

結果としてはそう見えるかもしれないが、地面を強く蹴って身体を前に運ぶことも、その運ばれてきた体を着地の衝撃に耐えながら受け止めることも、本当はやってはいけない行為ではないかと考えたのです。

このことに対して目を開いてもらうためには、これまで行ってきた走るという行為をいったん全否定して、体の仕組みに沿ってゼロから作り直す気持ちにならない限り、変えることは出来ないと思います。

そのために阪本さんに対して、厳しい言葉をかけ続けました。

そのことがプライドを傷つけ、私の理論を受け入れることなく、これまでの走りを継続しようという結果になったとしたら、残念ですがそれまでのことです。

しかし、私を含めすでに学んでくれ固定概念の呪縛から離れつつある、植村さんと太田さんの走りを間近かで見れば、自分にもできないはずはないというか、自分が必死に取り組んできた走るという行為が、なぜこんなに楽で簡単に見えるのかと思わない方がおかしいのです。

今回の大きなテーマ、走るという行為のなぜどうしてを伝えるという目標は、阪本さんには届いてくれたようです。

「これまでの固定概念やプライドを一旦捨て去り、一から動き作りをすることだと思います。早く走る、タイムを縮めるということはとりあえず置いておいて、正しいからだの使い方をマスターしていきたいです。」という言葉に、いつも以上の充実感というか自己満足を感じています。

現在遠隔地の方から、小学生のサッカーをやっているお子さんの遠隔指導の依頼が届いています。

私の考え方はすでに返信していますので、そのことに納得していただければ、近々指導が始まると思います。

もちろん直接指導をしてもすべてを理解していただけるわけではない中での遠隔指導ですが、今なら色々なアイデアがあって、お役に立てる指導ができると思っています。

今回の西本塾を通して、同じことを同じように伝えるのではなく、この部分が本当に重要なんだ、この部分を疎かにしたのでは、絶対にその先に進めないのだという説明の仕方が出来たのではと思っています。

もちろん参加者全員に等しく届いたかどうかは分かりません、それぞれの受け取り方が違いますから。

ただ私自身は、今までとは違った伝え方が出来たと思っています。

次の予定は今のところありませんが、もっともっと伝え方を練り上げて、自分が納得できる西本塾をやってみたいという気持ちにはなっています。

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
今年2回目の西本塾を8月26・27の土日に開催を予定しています。
詳細はstudio操のホームページ内の「講習会情報」をご覧ください。
なお、今回も参加者が5名に満たない場合は開催しません。
9月10日には深める会も予定しています。

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