骨の動きから気づいたこと

今日は日曜日ですが、毎日が日曜日の、まるで定年退職したサラリーマンのような生活になっていますが、周辺の生活圏の雰囲気には、平日と違う何かがあり、なんだかほっとする一日となっています。

もちろん新しい施設づくりのために準備は進んでいるのですが、貸主が市役所ということで手続きや諸々が遅々として進まず、本当にその場所で始められるかどうかも含めて、予断を許さないという状況は変わっていません。
まあここで焦っても仕方がないと開き直って、気持ちだけはどっしり構えてと思っています。

それにしてもこういう経験は、ヴィッセル神戸を辞めて広島に帰ってきたときにも同じことがありましたが、今回は途中で辞めてしまいましたので、気持ちの整理に時間がかかり、さらには体調のこともあって、気がつけば3か月が過ぎてしまいました。

男にとって、収入が無いということはもちろんですが、働くための居場所がないということほど淋しいことはないものだと、改めて感じています。

神戸の後はどんな気持ちで過ごしていたのか、まったく思い出せません。

人間、つまづいたり転んだり悲しい出来事があっても、忘れることができるからこそ、新たな道に進んでいけるのだということだけは学んできました。
もうひと辛抱だと信じて何とか頑張ります。

さて今回は、私が「連動連動」とバカの一つ覚えのように言い続けているキーワードですが、どうしてそこまで言い切るようになったのか、思い出話をしたいと思います。

言うまでもなく「操体法」というものの考え方をベースに、私の発想は始まっているのですが、実際の日常動作やスポーツ動作において、具体的にそれをどうやって生かしていくのかというのは、まったく未知の世界でした。

可動域を広げる3・5・7理論に基づいて筋肉の動きを把握する、頭の中では分かっていても、自分の体で確実にそれを実感しなければ、人に伝えることはできません。
日々そんなことばかり考えながら生活していたある日のことです。

トイレの中でもついついそんなことを考えていました。
ある時ふと思いついたことがあって、家内に向かって「紙持ってきて」と大きな声で呼びました。

漫画のような話ですが、トイレの中から紙持ってきてですから、家内はトイレットペーパーが切れていたのだと思って、持ってきてくれましたが、私が要求したのはメモを取るための紙とボールペンのことでした。

何となく思いついたことがあったので、イメージが消えないうちに言葉として残しておきたかったのです。

その一つが、一般的に行われているシーテッドローイングの動作です。
背中を鍛えるトレーニングなのですが、たしかに背中に強い刺激があって、継続していく中で背中の厚みというか筋肥大は実感できるものの、背中が丸くなっていくというか、姿勢が悪くなっていく感覚があって、これは正しい動きなのかと考えていた時でした。

背中の筋肉というには、本来背骨をきちっと立てて起こしてくれる筋肉(姿勢筋ともよばれることがあります)ですから、このトレーニングで姿勢が悪くなっては本末転倒です。
その頃真剣にトレーニングに時間をかけて取り組んでいた私にとっては、この矛盾はどうにも納得いかない問題でした。

そしてふと思いついたのが、動き自体が筋肉ありきで、筋肉だけを主役にして動いていることが原因なのではと思ったのです。

力を発揮するのに筋肉が主役でなくて何が主役なんだと、普通は思います、どこもおかしくありません。

しかし、筋肉が収縮することで何が起こるかと考えた時、それは筋肉の両端が骨を引っ張ったことで、関節の角度が変わる、すなわち体が動いたという結果が引き出されるのです。

もっと言えば、この位置関係にあった骨と骨をこういう経路をたどり、こういうスピードで、こういう角度に移動させたいと、脳が企図したことを実行に移す役割を担って仕事をすることが、筋肉本来の仕事ではなかったのかと思ったのです。

自分が今やっているトレーニングは、重量という負荷に対して、手で持っているハンドルをこの位置まで引き付けることが目的になってしまい、骨の位置関係などほとんど頭の中から消えているのではないかと考えたのです。

重量に負けずに引っ張ればいい、押せばいい、持ち上げればいい、それがトレーニングだと思っていたのです。

早速次の機会に、思いついたイメージを意識して、シーテッドローイングをやってみました。

普段扱っているのと同じ重量が、不思議なことに軽く感じられ、体のポジション、骨の動きが手に取るように分かりました。

さらに背骨の動きを強調して、大げさに動いてみようと重量を軽くすると、骨盤がしっかり立てられ背骨のS字が大きくなり、その反らされたスペースに左右の肩甲骨が寄ってくることも、はっきりと自覚できたのです。

ついつい一枚でも重いプレートにピンを指し、一回でも多く回数を頑張ることがトレーニングだと思ってしまっていたのではないか、しかしそれは本来のトレーニングの目的ではなかったと、はっきり自覚できた瞬間でした。

これが私の「体作りのトレーニングから動き作りのトレーニング」への大きな分岐点となりました。

それ以降も骨の動きを意識してトレーニングを行うことで、自分にとって必要な筋力も筋肥大も十分目的を達してくれたと思います。

その感覚が他のすべてのトレーニングにも共有され、私にとってのトレーニングは、「連動」ということばがキーワードになって行ったのです。
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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
西本塾を深める会を9月10日(日)に開催を予定しています。
詳細はstudio操のホームページ内の「講習会情報」をご覧ください。

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