宿題をいただきました。

今日はお二人の方から頂いたコメントにお答えする形で、進めていきたいと思います。

こうして質問なりご意見をいただけると、独り言のように自分の考えを書き綴っている身としては、本当に嬉しくまたありがたく思います。

これからも皆さんどんどんコメントお願いします。

まずは、何度もコメントをいただいている大吉さんからのコメントです。

お久しぶりです。
いつも楽しく読まさせてもらってます。

ダッシュの件、前回のコンフェデ杯のブラジル代表の件をおっしゃってる時から、動きだしとかに注目するようになりましたが、ウルグアイ代表のみなさんも、やっぱり動きが違うなと思いました。

躍動感があるというか、流れがあるというか。

中学、高校の頃、サッカー部で100mダッシュをよくしましたが、大事なのは、ダッシュ後のプレイ、ダッシュしながらのプレイですよね。確かに。すごい納得し、そういう風なトレーニングをしたら全然違うなとおもってしまいました。

動きは、すべてつながってると思うだけで、「歩く」ということすらも新鮮に感じてます!


本当にそうですよね。

我々日本人は、何事にも几帳面で一生懸命取り組みます。
それが悪いことではないですが、それを行う目的や意識が正しい方向に向いていないと、無駄にエネルギーを消費しただけということになります。

いまでもトップレベルの選手たちが、アマチュア時代を懐かしんで、あの苦しい練習があったからこそ今があるとか、理不尽さを受け入れ乗り越えてきた仲間とのきずなは深い、などという発言を見聞きしますが、それらはすべて指導者の責任であると断言します。

その時間とエネルギーをもっとほかの練習に費やしたり、同じ苦しい思いをするにしても、後で分かるではなく、どうしてその時に理解できる指導ができなかったのでしょうか。

倒れるまで走ったとか、試合に負けた後走って帰らされたとか、その手の話は選手に聞くといくらでも転がっています。

私が指導していたクラブにも、とにかく何をさせても一生懸命で手を抜くことを知らず、動きにメリハリがなくてがむしゃらさだけが目立っている若手の選手がいました。

こういう選手が一番教え甲斐があります。
とにかくやれと言ったら何でもやってくれますし、このくらいで止めようと思ってももう少しやらせてくれとくるのですから。

こういう選手には、とにかくこれから行うドリルの意味を正しく認識させることが一番重要となります。

コーンやマーカーを並べポールを立て、スタートからゴールまでの間、それぞれのポジションでどういう動きを要求しているのか、その体の動かし方の意識と、その途中途中にも、実際には動く方向が変わるかもしれない、などということまで意識させ、ヨーイドンでいかに早くゴールを目指すことが目的でないことをしっかり理解させなければなりません。

下半身からターンさせるのか、肩甲骨から押し込んでいくのか、体重の移動と重心の移動の違いなど、実際にやって見せて、やらせてみて、話をしながらドリルを繰り返していきました。
口だけでは絶対に伝わらない感覚です、私がその動きを体現できなければ、私の指導は成立しないのです。

一度で分かるとかできるとかいう感覚ではないので、同じようなドリルをやっても、今日はこういう意識でやってみようとか、体の使い方を変えてみようというテーマを決め、少しずつ動きに無駄な力が入らず、臨機応変な対応ができるように作っていく作業を行っていました。

その動きをベースにして、実際のピッチの中で、どの方向へ展開していくか分からないプレーを予測し反応しながら、自分の体をコントロールしていかなければならないのですから、サッカー選手は本当に大変です。

天性のということばがあり、人種が違うからということばもあります、凡人に生まれた私のような人間からすると、それでも努力で追いつけ追い越せをやってほしいのです。

そのお手伝いを一生懸命やらせてもらっていました。

まずは歩くこと、そして走ること、それが何のために行われていることなのか、きちんと整理されてのトレーニングであり体の使い方ということになるのです。

こうして思い出していると、もっともっと教えてあげたかったなという気持ちになってしまいます。

さてもうおひとりの方です。
お名前がありませんでしたが、初めてのコメントをいただいたと思います。

宿題になるかわかりませんが、前々から思っていたことがあるので、書いてみます。

カーヴィーダンスを知っていますか?
考案者の樫木さんは、スポーツ選手のトレーナーもされているようです。

私はダイエットのためというより、エクササイズとして、カーヴィーダンスを行っています。
樫木さんも、肩甲骨を意識されているように思います。

一般人には、トレーニングというより、エクササイズ、という方が身近かもしれません。
日々の生活を送るにあたり、操体法的ラジオ体操みたいな運動があれば、ぜひ考えていただきたいです。

それによって、日々の生活の怪我の予防になったら最高だなぁと思います。


そうですね、一般の方にとってはトレーニングというよりもエクササイズということばの方がしっくりくるかもしれません。

私もテレビで、マラソンの「藤原新」選手のフォームを安定させるための軸づくりというテーマだったと思いますが、見させてもらいました。

考案者の方は長い経験と数多くの実績を上げてこられた方のようで、選手の信頼も厚かったようです。

スポーツ選手は意外に素直なところがあり、これは自分にとってプラスになりそうだというのは、直感的に感じるようですから、藤原選手も自分の走りに何か足りなという部分とうまくマッチしたのでしょう。

日本は超高齢化社会を迎え、命ある限りできるだけ健康で過ごしたいと思うのは当たり前のことです。

テレビを見ていても、健康食品の通販のコーナーがやたら多く見られますし、最後は子供や孫に迷惑をかけたくないと、医療関係の保険も目につきます。
若いうちから手を打っておかなければと思うのも当然です。

今年の初め、宮崎にキャンプに行ったとき、民間のフィットネスクラブを何度かお借りしてトレーニングを行いましたが、開店から午前中の早い時間は、近隣のお年寄りの方で超満員の状態でした。

プロスポーツチームである我々の方が驚く程の熱気の中で、それぞれがメニューをこなし汗を流し、その真剣さには本当に圧倒されました。

中には100キロマラソンを完走したこともあり、次のレースに向けてトレーニングを続けているという80代の女性の方もいて、とてもかなわないなと思いました。

ご質問のカーヴィーダンスですが、基本的な考え方は間違っていないと思います。

人間が本来持って生まれた能力を生かし切れていない部分、特に背中の筋肉や肩甲骨周りの部分に焦点を当て、無理なく刺激することで代謝を高め、筋力アップとダイエット効果もあるということは間違いありません。

テレビやネットでしか見たことはありませんが、それほど心拍数を上げなくて済むのでしたら、一般の方にも取り組みやすい効果的なエクササイズだと思いました。

ただ、その目的に対しての方法論がカーヴィーダンスしかないのかと言われたら、もちろん他にもたくさんあります。
まさに流行り廃りの典型のような業界ですから、いつまでこの言葉が続いていくのかは私には分かりません。

ここ数年、ラジオ体操の効果が声高に言われていますが、私が学んだ操体法の考え方から見ると、実はもろ手を挙げて賛成できないところもあるのです。

ラジオ体操をやったことがないという人はおそらくないと思うのですが、体全体を捩じったり回したり伸ばしたりと、関節の8方向への展開という意味では、操体法の理にかなっているように見えます。

ところが実際にやってみると、曲げたらつらい方向があったり、無理なところまで頑張らなくていいですよと言われても、そこは人情です、他の人ができているのにと、ついつい頑張ってしまうことにもなりかねません

そこを頑張るのが体操だろうということなのですが、操体法はそうではないのです、体操ではない、だから「操体」なのです。

痛みのある方向、角度、絶対に深追いしません。
言葉は悪いですが、むしろその逆で痛みを感じたら逃げていきます。

とても消極的に聞こえるかもしれませんが、たとえば体を左に倒して右手も左へという動作がありますね、ラジオ体操のように音楽に合わせて反動をつけて動くと、勢いでできてしまうかもしれませんが、ゆっくりやってみると、どこかの角度で体のどこかがもうそれ以上動かさないでという信号を出してくることが分かります

その信号を受け取ったら、そのまま来た道を帰っていき左に倒す動きに変えてくのです

最初に同じように左右やって比べておいて、やりやすい方向が自覚できれば、その方向だけを行ってもいいです。

反対側はどうするのかということなのですが、やりやすい方向へ動いている時、ストップをかけ違和感という信号を発してくれた場所は、動いていませんか、それも無理なく気持ちよく

これが我々人間に備わった自然の法則であり、それを見つけ出して応用したのが「操体法」の創始者である、医師でもあった「橋本敬三先生」ということになるのです。

先ほどの動きでは、両足は肩幅くらいに開いて、両足ともに踏ん張った状態でしたね、これでは横に倒す動きは現実キツイです。

このとき足にかかる重心を工夫してみてください。

右手を上げて左に体を倒していくとき、右足に体重を移して、左足はほとんどつま先でちょっと支えているというくらいにしてみたらどうでしょう。

びっっくりするくらい楽に体を倒すことができるのが分かると思います。

これが人間の体にとって無理のない動きの本質です。

これを先生は仏教の経典になぞらえ「般若経」としゃれた語呂合わせで呼ばれていました。

色々書きましたが、結局はそれを行う目的が一番の問題です。

設備の整ったスタジオで、おしゃれなウェアーを身にまとい、有名ではやっている最新のエクササイズがやりたいと思えば、それはそれで素晴らしい動機ですし、一人自室で自分の体と対話しながら、体の言い分に耳を傾けることで見えてくる方法論を模索していく作業も楽しいものです。

誰かに何かを教わらなくても、人間の体は関節が基本8方向へ動くことができ、その組み合わせが天文学的な数字であること、そして関節の動きにはそれぞれ制限があるので、体全体で動きを表現する必要がある、とこのくらいのことを頭に入れて、今日はどこから動かしてみようかなとか遊び感覚で行う方が、きっと健康な体を維持したいという目的にはあっていると思うのですが。

それを万人向けに整理して、誰でもこういう風にやると効果がありますよというやり方を考えた人が、世間的にはもてはやされていくのでしょうね。

私もいつまでも目の前の選手の息遣いを感じながらのトレーニングでないと、効果を上げる自信がないなどと言ってはいられないので、いつか一般の方にも気軽に取り組んでいただけるメソッドを考えなくてはならないのでしょうか。

コメントをいただいた方には、逆にこんなのはどうでしょうかと、アドバイスを頂けたらなどと虫のいいことを考えています。
スポンサーサイト

Trackback

Comment

Re: No title
残念ながら、私はもうクラブとは関係がなくなった人間です。
今いるスタッフが、彼らのやり方で対応してもらうしかありません。
こうしてブログやTwitterをとうして、私の考え方に共鳴していただけるのはありがたい事ですが、もし今私がいたらなどと思っているクラブの関係者はいません。
みんな前を向いて頑張るしかないのです。
それは私も同じです。
  • 2013-08-16│20:25 |
  • 西本 直 URL│
  • [edit]
ありがとうございます
早速のお返事ありがとうございます、Aです。

確かに人それぞれ、体の動きは違うものですから、ラジオ体操のように、みんなが同じように同じ動きをする、というのはそもそも無理があるのかもしれません。

やはり体の悩みを解決するには、西本さんに直接お会いするというのが、1番の近道になりそうですね!

とはいえ、いままで西本さんの頭の中だけにあったものをこうして知ることができるだけでも、とてもありがたいです。
そうそう!こういうのを待っていたんだ!という人は、私以外にもたくさんいると思います。

これからも無理のないように、続けてください。
毎日楽しみにしています。
  • 2013-08-16│17:28 |
  • A URL│
  • [edit]
No title
レナトと稲本が肉離れを起こしました。
西本さん早く治してあげて下さい!
  • 2013-08-16│14:25 |
  • フロン太 URL│
  • [edit]

Post a comment

Secret


プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
「第25回西本塾」を11月18・19日の土日に開催を予定しています。
詳細はStudio操ホームページ内の「講習会情報」をご覧ください
尚、深める会も12月10日に予定しています。

最新記事

カレンダー

08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

カウンター

検索フォーム

QRコード

QR