ストレッチあれこれ

先日は、ちょこっと17日が誕生日であったことを書かせていただいたところ、コメントやツイッターの方でも、おめでとうの言葉をいただきありがとうございました。
55歳、まさにこれからGOGO!の精神で進んで行きます。

広島に拠点を準備してはおりますが、私の話を聞きたいと言ってくださる方があれば、日本中いや世界のどこでも飛んで行って、いつもの調子で熱く語ってみたいと思っています。

また、トレーニングの方法や体の使い方、また故障を抱えた体のケアについても、来ていただけるのであれば、お役に立てていただいてお帰りいただけるよう全力でサポートしますので、よろしくお願いします。

さて今日は、前回の流れでストレッチというものに対する私の考えを書いていきます。

一般的には、ストレッチは体を柔らかくするための静かな体操のようなものとして捉えられているのではないでしょうか。

毎度私の口から出てくる言葉ですが、「これが正しいストレッチです」というものは存在しません。

トレーニングと同じで、目的や行うタイミングの違いによって、やり方も意識もまったく違ったものになるからです。

さらに、個人個人によって筋肉に対する負荷というか、アプローチの強度もまったく違ってきますので、これからお話しすることをベースにして、自分は今どういう状況で、何のためにストレッチを行うのかということを、明確にしてから行っていただきたいと思います。

ですから、足をこう伸ばしてとか、膝をこう曲げてというような、ストレッチのポーズの説明は一切しませんから悪しからず。

今私が、新しい施設の開業に向けて行わなければならないストレッチは、3か月前に広島に帰ってから、運動らしい運動はほとんど行っておらず、今の自分の体がどういう状態なのかを知るために、様々な動きを通して、関節や筋肉の状態を確認していく作業というのが、大きなテーマです。

であるならば、曲がらないところをもっと曲がるようにしようとか、縮んでしまっている筋肉の繊維を、もっとしなやかに伸びるようにしようとすることを、目標にしてしまうと、かなり体にとっては大きな負担になります。

結果としてはそれでも体の変化はあるのですが、風呂上がりの気持ちも体もゆったりしたタイミングで、テレビを見ながらいくつかのポーズで、ゆっくりと身体を伸ばしていくというのが、今の私が行っているストレッチに対する意識です。

おそらくオープンが近づくにつれ、少しずつ意識が変わり、もう少しもう少しと欲が出て、以前の状態に近づけられるようなやり方に変わってくると思います。

現在スポーツ活動を行っている方でしたら、特に子供さんの場合、限られた時間の中で、サッカーなり野球なりバスケットなりの技術練習を多くやりたいのは当たり前で、時間をかけてストレッチを行うのは、指導者も選手も望まないことではないでしょうか。

以前ヴィッセル神戸のフィジカルコーチをやらせていただいていた時、私を呼び寄せた当時のバクスター監督から言われた言葉なのですが、「サッカー選手はボールと一緒ならどこまででも走り続けられるが、素走りほど嫌いなものはないから、メニューを考える時に考慮してくれ」というものでした。

なるほどそうだなと思い、色々なパターンのトレーニングを考えたものでした。

スポーツ動作というのは、一言で言ってしまえば、日常生活では必要のない筋肉の収縮や、関節の可動域を使い、体に対して不必要な負荷をかけることが前提の動作ですから、ケガを覚悟でというよりもケガをするために行っていると言っても言い過ぎではないのです。

本来スポーツを行うこと、PLAYということばの語源は「楽しむ」という意味だったはずです。

それが、選手に選ばれるために、試合に勝つために、プロの選手になるためにと、ハードルが上がっていくにつれて、楽しむことよりも我慢することだったり、痛みを隠すことだったりと、本来あってはならない方向へと変わってしまうのです。

その激しい動作に対応するためには、安全な状態の中で、これから起こるであろう様々な状況を想定して、筋肉を収縮させ、関節を様々な方向に動かし、そういう風に体を動かしておく必要があるのです。

それがストレッチであり準備運動ということになります。

では選手全員が何の準備もしていない状態で、気温の低い冬のトレーニングがこれから始まるとします、何をしなければならないでしょうか。

いくら静的なストレッチ(できるだけ反動をつけずに、痛みを感じない範囲で30秒から60秒間じっとそのままの姿勢を取り続ける)から行おうとしても、屋外の寒い中であれば、じっとしていることで筋肉を伸ばすどころか逆に固まってしまうことになります。

そのためには筋肉そのものの温度(筋温)を上げておかなければなりません。

足並みをそろえて号令をかけてのランニングではなく、それぞれのペースでリラックスした状態でジョギングをしながら少しずつ体を温め、静的ストレッチを挟み、ジョギングとストレッチを繰り返すことで少しずつ動ける体の準備をしていくのが理想です。

そのストレッチも後半にかけて、静的なものから動的なストレッチに変えていきます。

足を振り上げたり体全体を捩じったりと、より実際の動作に近いものにしていきます。

こういう考え方で行うことで、体は無理なくスポーツ動作に移行できるでしょう。

夏の時期であっても、汗をかいているからと油断をせず、筋温を上げるための時間はかけるべきです。
通気性の無い、汗取りと呼ばれるウェアーを着て、ひたすら汗をかきたがる選手がいますが、まったく意味がありません。
きちんと、筋温を上げることを意識すべきなのです。

そして終わった後のストレッチですが、これは誰が考えても分かるとおり、激しく収縮を繰り返してくれた筋肉を沈静化することが目的ですから、静的なストレッチが有効になります。

ただトレーニングの施設の整った環境がその場にあれば、運動終了後に普段のトレーニングで扱う半分以下の負荷を使って、可動域いっぱいに動くような動作を行うことを勧めています

この意味は、どんなスポーツ動作でも、可動域をを100%使い切るような運動の局面はまずありません。
3・5・7理論で言うところの、ニュートラルである5の近辺を行ったり来たりしている運動を行っています。

であるならば、もう少し広い収縮の範囲を、軽い負荷で使い切っておくほうが、筋肉の血流が盛んになり、結果として疲労の回復を早めることができるからです。
「積極的休養」などと言う言い方もされています。

クールダウンと称して、ただ何周もジョギングをして終わりというのよりは、はるかに筋肉に対して丁寧でやさしい方法だと思います。

もっと言えば、ベッドに横になって受けるマッサージよりも、筋肉に対して本当の意味のリラクゼーションを与えられるはずなのですが、気分の問題でしょうか、こちらを優先する選手のなんと多いことか・・・。

あとは個人の個体差の問題が大きいですね、同じ姿勢で同じ時間ストレッチを行ったからといって、同じ効果が得られるはずはありません。

そこで一番問題になるのは、本人の意識の問題です。

子供さんにそれを要求するのは不可能です。
こればかりは将来のことも含めて、硬い子供もやわらかい子供も、今はここの筋肉が伸びているんだよというところから教えていかなけれなりません。

人それぞれ、いろんな体があるんだよと、いうことも知っておかなければなりませんから。

曲がらない体を一瞬で変化させる方法は、つくば市にお邪魔した時に実演して、皆さん驚かれましたが、体の仕組みとしては当然のことで、あとは地道に継続すること、何よりもこれが大切になります

頑張って書き続けていますが、ちょこちょこお休みもさせていただきますので、よろしくお付き合いください。
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Comment

コメントありがとうございました。
貴重な経験談をありがとうございました。
私と同じような思いを共有していただいている方がいてくださったこと、本当に嬉しく思います。

日本のスポーツ界では、指導者の意識が変わらなければ現場は変わらないと思います。
それぞれの競技で結果を残された方が指導者となるので、ある意味仕方がないところはあると思いますが、組織全体が責任逃れのためなのか、どうしても数値や画像といった、客観性を求めてしまうようです。

ジュニアの世代から一貫して、人間の能力を余すところなく発揮できるようになるためのトレーニング、という視点で考えられる人材が配置されれば、もしかしたら違う競技の特性が見いだされて、別の競技で一流に育っていく、などと言うことも現実に起こるかもしれません。

ジュニアを選別して将来のオリンピック候補にという取り組みもされているようですが、〇〇競技のためのトレーニングではなく、人間共通のという発想が必要だと思います。

またご意見などありましたら、ぜひお寄せください。
  • 2013-08-25│16:11 |
  • 西本 直 URL│
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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
西本塾を深める会を9月10日(日)に開催を予定しています。
詳細はstudio操のホームページ内の「講習会情報」をご覧ください。

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