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『動きづくり』が結果を求められる組織にどう活かされるか。

少しブログの更新の間合いが空いてしまいました。
それは昨日一昨日と指導に行ってきた女子サッカークラブ、『吉備国際大学charm岡山高梁』の選手たちに、私が提唱している体づくりとは一線を画した『動きづくり』という発想をどうやって伝えるか、時間があればそのことを考えていたからです。

トップアスリートにこそ必要な考え方であると、もちろん今でも思っていますが、個人的に指導を依頼されることはあっても、チームとして組織として真剣に取り組もうという声はどこからも聞こえてきませんでした。

育成年代の指導者の皆さんに対して、その考え方や実際の方法論を伝える機会を与えられ、少し遠回りとも思えましたが、どうやらこちらの方が確実に浸透していくのではないかと思うようになりました。

今までずっと背負ってきた『結果責任』という言葉からも少し解放され、指導者の皆さんに対して、「私の考え方に賛同してくれたのなら、後は自分たちでしっかり子供たちに伝えてください」というスタンスで、少し肩の力が抜けた指導ができるようになりました。

そんな中、倉本さんの主宰するセミナーの実技編を東京で行っていたまさにその時、今回指導に行ったチームの監督である『柴村和樹』さんから電話がかかってきました。

彼は昨年まで、地元アンジュビオレ広島のU18の監督を務めていました。
縁あってその選手たちの指導を頼まれ、二度ほどグランドに足を運んで動き作りの指導をしたことがありました。

その時の依頼の趣旨は、『私から学んだことを選手に指導しているつもりではいるが、自分の指導では本質的なことを伝えきれていないのではないかと考え、選手たちに私の直接指導を受けさせてあげたい』ということでした。

それだけ彼は私から学んだことが重要なことだと思ってくれていたのです。

もちろん自分で指導できるようになってもらわなければならないのですが、一生懸命サッカーに取り組む選手たちに、少しでも質の高い指導を受けさせてあげたいという彼の気持ちは尊重すべきだと考え引き受けました。

そして今年から、なでしこリーグ3部チャレンジリーグに所属するチームの監督として招聘され、ひとつ上のレベルで指導力を発揮し、チームをさらに上のリーグに押し上げるべく奮闘しているものだとばかり思っていました。

それが今年、リーグ戦を戦い、チームに勝利をもたらすことが出来ないという、まさに藁にもすがりたいと、私に対してのSOSを発信してきたのです。

私が指導したからといってチームがどう変わるのか、勝てていないチームがそう簡単に変わるはずがない、ほとんどの人はそう考えると思います。

しかし彼は広島で監督をしている時に、私の指導で選手の意識や動きそのものが変わり、結果としてチーム力が上がったということを経験しているのです。

今回も、甘い考えではなく、自分の指導で足らない部分を何とか選手に伝えてあげたいという心から選手のそしてチームのために出来る限りのことをしたいという気持ちの表れだと思いました。

勿論指導者の皆さんはそれぞれたくさんのことを学んでいるはずです、それらを駆使して自分のチームを強くしたい、選手の能力を向上させてあげたいと考えているはずです。

その一つのパーツとして私の考え方や実践方法が必要だと考え、現状自分の指導では限界があると素直に認めSOSを発信できることは、ある意味凄いことだと思います。

であるなら、私は彼のためにそして選手やチームのために何をしてあげられるのか、何をすべきなのか、3週間の間、色々なことを考え続けてきました。

そして、さすがに一日だけ3時間という短い時間ではとてもお役にたてないと、こちらからお願いして翌日の公式戦の試合前にも指導させてもらうことにしました。

ただ単にこうすれば勝てるかもしれないという小手先の方法論があったとして、それを伝えたところで、それだけで勝ち負けが変わるほど簡単なことではないことは十分わかっています。

それは指導を受ける選手たちの方が、もっとそう思っているはずです。

結果としては勝つということに貢献したい、しかしそれ以上に私が指導していることの意味を深く感じとって、頭と体の両方が納得してくれなければ、指導に行った意味はないという結論に至りました。

ではどうしたか、これまで多くの選手や指導者に伝えてきたことが、結果として実際のプレーにどう活かされるのか、それらを身に付けられたとしたら個人としての能力は勿論、チームとして監督が意図する戦術をピッチの上で表現しやすくなるのではと、心からそう思ってもらえるように伝えるしかないと考えました。

土曜日、そういう視点でものを言い、体の使い方を指導しました。
3時間の指導で明らかに動きが変わっていく選手もいましたが、何をやらされているんだろうという顔をしている選手の方が多かったことは間違いありません。

少しの手応えと大きな不安の中で終えた、一日目の指導でした。

明けて日曜日、1時キックオフに備え、メンバー発表のミーティングにも同席し、ピッチ外で行うストレッチからウォーミングアップまで、すべてを私にやって欲しいというのです。

Jリーグのチームや社会人野球のチームで経験済みとはいえ、現場での指導は長いブランクがあったので少し心配しましたが、前日の内容をおさらいするように、試合に備えて準備をしていきました。

その時の選手たちの表情や動きが、すでに前日とは全く違うものになっていたのです。

私は勿論、そばで見ている柴村君も本当に驚いていました。
彼女たちなりに、昨日の指導の後いろいろ考えた結果だと思います。

「もしかしたら西本さんの言っていることは本当かもしれない、真剣に取り組めば自分たちは変われるかもしれない」そう思ってくれた選手が多かったようです。

「これはいけるかもしれない」私も大きな手応えを感じました。

そしてゲーム直前のピッチ内練習のさいも、「中に入ってもらって気になるところがあれば直接声をかけてやってください」と言うのです。
いくら何でも部外者がピッチの中までと思いましたが、試合が始まればもちろんダメですが、それまでは大丈夫ですと言われ、もう何年振りでしょうか、ゲーム前練習をピッチの中で目の前で見ることになりました。

凄いです、選手たちの動きからは昨日今日とたったの二日間で指導した西本理論ベースの動きが本当に感じられるのです。

柴村監督も改めて私の指導力というか伝える力の凄さに驚いたと言ってくれました。

小手先の指導ではなく、選手の意識を変えることが出来なければ、何の意味もないということです。
そんな大きな手応えを感じてゲームが始まりました。

試合開始早々失点しましたが、すぐに反撃し同点に追いつきました、それもこれまで見たことななかった相手のディフェンスを崩しての見事な得点でした。

前半終了間際にも得点されましたが、後半に十分期待が持てる戦いぶりでした。
私は帰ってくる選手たちを迎えながら、「絶対いけるこのまま続けよう」と一人一人に声をかけました。

そして迎えた後半早々に、またしても素晴らしい連係でゴールを決め2対2としました。
今日こそ勝てる、彼女たちの新たなサッカーが始まるとワクワクして試合を見続けました。

しかし、その後ミスから失点が続き、2対4と勝つことは出来ませんでした。

試合後の選手たちの表情は様々で、「今までとは全然違うサッカーができた、私たちにも絶対できる」と前向きに語ってくれる選手もいました。
しかし、もちろんそれだけでは満足できるはずもなく、もっと出来たはず、勝てる試合を落としたと、悔しさいっぱいの表情の選手もいました。

どちらも正しいと思います。

ひとつ言えることは二日間という短い時間の中で指導されたことが、自分たちを変える大きな力になることは間違いなかったということが分かったということです。

最後にもう一度全員の前で話をして欲しいと言われましたが、彼女たちの真剣に取り組む姿勢に、久し振りに心揺さぶられるものがありましたので、その場では言いませんでしたが、若い女子選手の前で感極まって、なんていうことになりたくなかったので、それは断ってその場を離れました。

老若男女、どんなことでも真剣に取り組む姿は本当に美しく心を熱くしてくれます。

現場を離れてもう6年、色々思うこともありますが、柴村監督のように私から学んだことを自分で指導したいが、まだ自信がない、ならば本物の指導を選手たちに受けさせてあげたい言われれば、足を運ばざるを得ないと思います。

今回も私の指導力に驚いてくれましたが、ある意味当然のことです、私が指導していることはこれだけですし、それをどうやったら分かってもらえるのか、現場に活かしてもらえるのか、そればかり考えてこの6年を過ごしてきたわけですから、私から数回学んで分かったような顔をして指導している人と同じでは私としては情けないのです。

今回改めて私の指導していることは、本当の意味で選手をそしてチームを変えることが出来ると確信しました。

ただその目的を達するためには、指導を受ける側のしっかりとした目的意識と、私のすべてを受け入れる覚悟が必要だということを書き加えておきます。

気まぐれでなかなかやる気を起こさないのが今の私です。

相手の本気度に合わせて私の本気度が決まる、そんな単純な男ですから。

まだ書きたい記事があるのですが、また次の機会ということにさせてください。

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
日々の気づきやブログの更新情報はツイッターに書いていますので、チェックしてみてください。
2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。
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6月20・21日に行う西本塾の募集を行っています。
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