FC2ブログ

『西本走り第2章』に向けて。サッカー選手と陸上選手の走りは違うのか。

今日もブログを読んで頂きありがとうございます。

ラグビーそして昨日今日は日本で行われているPGAツアーに出場し、見事に82勝と言うタイ記録に並んだ『タイガーウッズ選手』のプレーに酔いしれ上機嫌の西本です。
とにかくスポーツ中継を見ている時が一番幸せを感じるのですから、我ながら安いものですね。

ツイッターにも書きましたがタイガーは43歳、プロに転向して以来20年に渡ってプロゴルフ界をけん引している存在ですが、私生活の問題や、本業での体の故障による度重なる手術からの復帰と、順風満帆なゴルフ人生ではなかったと思います。

今日のプレーの中に、その様々なことを乗り越えてきたタイガーの凄さを改めて感じさせられました。

得てきたものはとてつもなく大きいとは思いますが、タイガーにとって失ってきたものも少なくないと思います。
「手術を繰り返しつらいリハビリに取り組むのも、すべてはゴルフで勝利するため、自分にはゴルフしかないから」と言うコメントに、タイガーのすべてが表されているような気がしました。

さて、『西本走り』と呼ばれるようになった『走るという行為』での『体の使い方』ですが、何度も書いてきたとおり、当初はサッカーにおける足が止まると表現される、スタミナのロスを最小限にとどめることが一番の目的でした。

45分ハーフの前後半、90分間頭と体を動かし続けることを求められるサッカー選手にとって、走るという行為の体の使い方はどうあるべきか、それが発信してきた発想の根幹にありました。

加えてサッカー選手には、誰もヨーイドンの号令をかけてくれませんし、いつどこへ走り出すという上手なスタートを切れたとしても、すぐに方向転換を余儀なくされたり、その場にとどまったり、何より動き続けるボールを処理するという一番大事な仕事があります。

とにかく正しいフォームで速く、そして長く走り続けることが目的ではありません。

そこで辿り着いたのが、骨盤と肘の上部を繋いでいる『広背筋』を使って、いかに早く骨盤を動かし、大転子から下の部分を、首を振るようにスムーズに動かせるかということでした。

この動きが出来なければ、急激な制動動作や方向転換もできないし、何よりボールを処理することが出来ません。
いかに一歩目をスムーズに速く動き出せるか、決められた距離をどれだけ早く走れたとしても、このスタートの一歩目ですべてが決まってしまうと言っても過言ではありません。

そして何度も言いますが、その次の瞬間に待っているのは急激なスピードの変化や方向転換なのです。

地面を強く蹴った地面反力に頼ることなく、着地の衝撃も和らげ、なおかつ次の瞬間何があっても対応できる体の使い方は、今提唱していることが一番理にかなっていると思います。

骨盤を素早く動かすためには、広背筋の機能を利用するのが一番です。

そのためには肘の後ろ上方に付着している、広背筋唯一の停止部をどれだけ有効に使えるかということになります。

私が幼稚園に通う男の子の孫に教えたスタートの姿勢は、肘をを曲げずに伸ばしたまま垂らしておけと言うものでした。
この姿勢から号砲とともに肘を思い切り引き上げれば、大きく広背筋を使うことが出来、骨盤はダイナミックに大転子を回してくれます。

もし従来通り、ヨーイの合図で両肘を曲げてしまうと、ドンで肘を前後に振るしかありませんので、停止部分の可動範囲は当然小さくなります、上半身も立気味になっていますから、足で地面を強く蹴らないと推進力が得られません。

陸上競技の短距離選手が、スターティングブロックに足を乗せ上体を前傾させ、両手を開いて体を支えた状態から、号砲とともに支えている手を横にはずした瞬間に、重心が前に飛び出し、その上体が前につんのめってしまわないように、肘を大きく引き上げることで広背筋を作用させ、骨盤と連携させることで大転子がローリングして素早いスタートが切れることと同じです。

スタートの姿勢こそ違いますが、サッカーや今行われているラグビーの選手たちのスタートのイメージは共通しているはずです。

陸上競技の場合は、短距離であれマラソンであれ、前方向にしか進まない訳で、マラソンにまでなると、2時間余りの間に何千回何万回と同じ動きを繰り返すことになります。

そうなると今私が論じているようなスムーズな動き出しや、次のアクションに備えるための姿勢などと言う発想は必要ありませんから、90分間頭と体をどころか、常に一定の動きが出来ることが要求されます。

では西本走りではマラソンは走れないのか、答えはノーです。
西本走りを形作る過程に、様々なドリルを用意していますが、中でも『股関節の引っ張り出しのドリル』は、いかに地面に対して必要最小限の衝撃で、地面からの反力を有効に活用するという意味で、絶対に感覚を身に付けて欲しいドリルです。

従来の走るときのイメージに比べ、着地の衝撃が少ないとはいえ、決して0ではありません。

地面反力を極力意識しないと言っていますが、こちらも当然0ではありません、0どころかいかに少ない衝撃を推進力に変えられるかというとても難しい技術なのです。

おそらくはフルマラソンを3時間以内で走れる一般ランナーや、2時間と少しで走り切ってしまう競技ランナーたちは、この部分で勝負しているのではないでしょうか。

『やわらかく股関節に乗り込む感覚』とでも表現すればよいのでしょうか、言葉では言い表せない微妙な感覚です。

このレベルの選手が刻むピッチは1分間に180を超えるでしょうから、着地の感覚や地面を蹴る離地の感覚も、ほんの一瞬の出来事なのでしょう。

その足の回転に上半身がどう対応するか、当然幼稚園の孫のような大きな腕の上下は必要ありません(と言いながらロッペン選手は肘を伸ばしたまま後方に振り続けトップスピードでもその姿勢は変わりませんでした)し、と言うよりこれでは足の回転に追いついていけません。

となると意識は腕の上下運動で、肘の動きを大きくしているつもりが、肘を目いっぱい引き上げる前に逆の肘は伸ばされていき、伸ばされている肘も伸びきる前に、逆の肘が下りてきた反動で曲がりあがっていく、つまり普通に走っている時のように肘は曲がったまま後方に振られているということになります。

これがマイケル・ジョンソン選手の走りです!

ただ前後に振るという感覚になると動きが変わってきます、あくまでも肘は後ろに引いているという意識です。

肘が体側よりも前に流れてしまうと、上半身の姿勢、特に肩が前後してしまい、体の前側の筋肉が主張して活動します。

ですから現在西本走りとして指導している体の使い方は、長距離走を前提にはしていませんでしたが、この動きの延長線上と言うか、方向転換も急激なギアチェンジも必要がないのなら、今行っている大きく強い動きの中で、いかにスムーズに回転を上げるか、またその結果としてのストライドの伸びを求めるか、この辺りがカギになってくると思います。

逆もまた真なりと言いますが、この直距離走に適した動きからは急激なスピードの上げ下げや制動動作は難しくなることは当然のことです。

陸上競技の出身者に走り方の指導を求めることが多いようですが、どちらからどちらに応用が利くかは今日の説明で理解して頂けた部分はあると思います。

西本走りの応用としての陸上競技の選手たちへの指導が、なるほどそういうことだったのかと理解してもらえるように、さらに分かりやすい説明と指導が出来るように工夫しなければなりません。

年末に行う予定の『西本走り体験会』では、その部分に関しても言及できるように準備しておきますのでランニング愛好者の方にもぜひ参加してほしいと思います。

走るという行為の根っこは一つですが、目的に応じて違うものだと捉えることは違うと思います。

人間の体に備わったからくりを、無理なく無駄なく効率的効果的に使いこなす、まだまだ試行錯誤が続きます。


スポンサーサイト



Trackback

Comment

Post a comment

Secret


プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
日々の気づきやブログの更新情報はツイッターに書いていますので、チェックしてみてください。
2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。
「西本塾」と「深める会」を開催しています。
今年の第1回目は2月15・16日の土日に31期西本塾を行います、現在募集中です。
詳細はStudio操ホームページ内の「講習会情報」をご覧ください.
「1回5分体が喜ぶ健康術」はアマゾンで在庫切れのことが多く、購入希望の方にはご迷惑をおかけしています。
出版元からの購入は可能ですので、ガリバープロダクツ(代)082-240-0768までお問い合わせください。

最新記事

カレンダー

12 | 2020/01 | 02
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

カウンター

検索フォーム

QRコード

QR

フリーエリア

http://ecx.images-amazon.com/images/I/51P40WM8EQL.jpg