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デクラーク選手が教えてくれたこと(その2)

今日もブログを読んでいただきありがとございます。

昨日書いたデクラーク選手の動き分析は、それぞれのシーンで目に見える事実を書いただけですから、動画をじっくり見ていただければ、なるほどそういうことかと納得していただけると思います。

しかし、これだけで終わっては私の動き分析としては不十分です。
もっと深い部分を期待して読んでくれた人も多いと思います。

デクラーク選手がなぜ、鋭いスタートダッシュが出来るのか、走りながらタックルを受けてもバランスを崩しにくいのか、自分より30㎏も40㎏も体重差のある選手に一対一のタックルで倒すことが出来るのか、そのことに言及しなければただ見たままを言葉にしたに過ぎないことになります。

まずは走るといいう行為に関してですが、デクラーク選手が走り出す瞬間の姿勢は、どんな状況でも骨盤がしっかり引き起こされていて、背骨が反っています。

これはサッカー選手の動き分析でも何度も指摘してきたことで、超の付く一流選手たちに共通した姿勢です。

その姿勢が保たれることで、股関節の中で大腿骨の可動域が広がり、他の選手に比べて膝の引き上げが少なく見えても、後方への動きが素早く大きく動けるので、回転が速くあっという間にトップスピードに加速しています。

日本代表の福岡選手のスピードも素晴らしいものがありますが、よくみると骨盤の反りはデクラーク選手に比べると少なく少し猫背気味で、体の前側の筋肉を主に使っているように見えます。

表情もよく言えば一生懸命頑張っている、悪く言えば力んでいることが見て取れます。

その為にタックルを受けたり、ハンドオフされた時にバランスを崩しやすくなっています。

デクラーク選手のプレーには力みが感じれらません、笑顔さえ見えます。

これが私が提唱している、屈筋主体ではなく伸筋を上手に機能させる体の使い方です。

相手の体に、自分の体を固めてぶつけるのではなく、余裕を持った収縮をしている伸筋を使って対応しています。

また、相手のバランスがどうすれば崩れるのか、そのことを本当に熟知していると感じます。

どんなに身長が高く体重が重い選手であっても、すべての局面でスクラムを組んだ時の様に力のベクトルを向け合い、自分のパワーを最大限に発揮できる態勢を取るときの様には行きません。

常に動き続けている中でのプレーですから、その瞬間すべての力を発揮できるかというとそうではありません。

走るという行為ではどちらかの足が浮いていることを繰り返しています。
ですから一番バランスを崩しやすいのは降り出された足が着地する瞬間で完全に地面を捉え切る直前ということになります。

そのわずかな瞬間に着地足にタックルされれば、体の大小など関係なくバランスを崩されてしまうことは当然のことです。

さらにタックルされる位置が真横からだとすれば、さらに崩されやすくなります。

正面からぶつかってくる選手をタックルで止めて押し返しひっくり返したシーンでも同じで、足を前に踏み出した着地寸前の一瞬を逃さずタックル出来れば、きっちり地面を捉え切る前の足はある意味無防備なのです。

相撲の稽古でぶつかり稽古というのでしょうか、番付上位の力士が片足を前にして腰を落とし、相手力士の体当たりを受け止め、土俵際まで押させてから横に投げ捨てるという稽古スタイルがあります。

これは上位力士が相手のぶつかる圧力を受け止めるために最良のポジションを取っているからできることです。
ぶつかる方も小細工は一切なく、相手に対して真っ直ぐぶつかることが前提となっていますから、単純に押す力をつけようという稽古で、それを何度も繰り返すことで瞬発力と持久力の両方を鍛えていますが、息が上がり倒れてもう無理ですというところまで行うことで、良い意味でのいじめかわいがりと呼ばれています。

ラグビーの試合中相手がまともにぶつかってきて、自分はその場で受け止めるだけでいいという状況であるなら、当然体の大きな選手の方が有利でしょう。

それがデクラーク選手の様に明らかに体格差がある選手でも、大きな選手を倒したり受け止めたりできることは、重心を崩していることに他なりません。

言葉で言うのは簡単ですが、動き続けている中での一瞬の判断でそれが出来るのがデクラーク選手が超一流選手であることの証明です。

その動きができるようになる為には、もう何百回言い続けているか分かりませんが、屈筋重視ではなく伸筋が正しく機能出来るようになるための筋力トレーニングが必要なのです。

そうやって動きづくりのトレーニングによって作られた体を使って、さらにその競技に必要な動きを身につけていく、結局行き着くところはここしかないと思います。

自分の体をどうやって鍛えるかはもちろん大事ですが、その際に体の仕組みという観点から、効率的で効果的な体の使い方を追求することが、裏を返せば相手の弱点を知ることになり、自分の弱点も補うことができるのです。

改めて3−5−7理論をベースにした筋収縮の仕組みや体全体の連動を知ることの重要性を感じます。

目に見える状況から発想した西本理論ですが、そこからの視点で体の動きを見れば、共通するコツの様なものは自ずと見えてくるはずです。

昨日の文章だけでは足らないと思い書き足しました。


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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
日々の気づきやブログの更新情報はツイッターに書いていますので、チェックしてみてください。
2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。
「西本塾」と「深める会」を開催しています。
今年の第1回目は2月15・16日の土日に31期西本塾を行います、現在募集中です。
詳細はStudio操ホームページ内の「講習会情報」をご覧ください.
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