祝楽天初優勝 小さな声で祝16年ぶりのカープAクラス

昨日は楽天が球団創設9年にして、初めてのリーグ優勝を勝ち取りました。
その立役者となったのは、もちろん22連勝中の田中投手です。

今の彼が投げるストレートは分かっていても打てないレベルのキレがあります。

そういう表現なら誰でもできますので、私なりの解説を加えてみたいと思います。

現在世界最速のストレートを投げるのは、キューバからアメリカに渡ったチャップマン投手で、時速169キロとも170キロを超えたとも言われています。

とても人間の成せる技ではないと思われる数字ですが、驚くべきはそのボールをバットで捉えることができるのも人間なのです。

もう何年前になるでしょうか、阪神時代の全盛期の藤川投手と横浜時代のクルーン投手がオールスターゲームで、それぞれ8回9回を投げたことがありました。

ビデオを撮り忘れ、知り合いのテレビ局勤務の方にお願いして手に入れたほど、スピードと打ちにくさを説明するのにもってこいのハイスピードカメラの映像がそこにはありました。

その頃指導をしていた佐々岡投手に、まずはじっくりと説明をし、そのあと彼が引退した時に取材に来てくれた、地元RCCラジオのレポーターとアナウンサーの方に説明をした時には、どうしてそんなところに気づいたのかと、目を白黒させながら聞いてくれました。

テレビ中継の副音声で私が解説をしたら、野球の別の楽しみ方が広がるの副音声で のにと、言ってくれましたが、実現することはありませんでした。

8回に登板してきた藤川投手の球速表示は152キロ、一方9回に登板したクルーン投手は160キロだったと思います。

普通に考えれば160キロの方が速いのだから、打者は打ちにくいはずです。

ところが藤川投手の150キロには空を切って空振り三振したパリーグの1流打者が、クルーン投手の160キロにはきちんと反応して、先頭打者がセンター前にクリーンヒットを飛ばしたのです。

この事実をきちんと説明できなければ、解説者としての本来の仕事は全うできないと思うのですが、未だかつてこの問題に明確な答えを聞いたことがありません。

今はマシンの性能が上がり170キロのスピードボールでも体感することができます。

現実チャップマン投手のボールにも、バットは当たるのです。

ではなぜ藤川投手のボールにはかすりもしなかったのか、ここからが本題です。

打者は投手の動作を見て、打撃動作を始動します。
各球場の形状もあるので、この球場だと藤川投手のボールはセンターの後ろのフェンスのあのポイントでリリースされて、自分の方に飛んでくるという感覚を持っています。

また、どんな速いボールであっても、引力には勝てませんので、いわゆる浮き上がってくるという軌道はあり得ません。

150キロのボールであればこういう軌道で飛んでくる、160キロならこうと、自分の経験の中でそれぞれのイメージを持って打席に立ち、ボールの軌道に合わせてミートポイントにバットを振り出していくのです。

クルーン投手の160キロには、その感覚で対応することができたのに、藤川投手の150キロにはなぜ対応できなかったのか。

スピードガン表示で藤川投手と同じレベルのスピードボールを投げる投手は他にもいました、同じ150キロでも何かが違うはず、そう思ってテレビ中継を見続けていました。

そこにハイスピードカメラの映像が飛び込み、なるほどそういうことだったのかと納得したわけです。

具体的に言うと、藤川投手のボールは、リリースポイントで指から離れたその瞬間からボールが回転して行くのがはっきり見えました。

鳥肌ものの映像です。


しかしクルーン投手のボールは、指から離れてボール1個分くらい進んでから回転が始まりました、いわゆる押し出している瞬間があるのです。

ボールが進んで行く際には空気の抵抗が邪魔をします。

それを突き進んで行くためには、ボールは回転していかなければなりません。

ほんのボール1個分回転の始まるのが遅いだけで何が違うか、スピードガンは初速を表示しますから、おそらくは打者の手元で感じる、二人のスピードの差はそれほどなかったのだと思います。

また他の150キロのボールに比べて、引力の影響を最小限に抑えられたため、これもいわゆるですが伸びがあるキレがあると評されるスピードボールになり、打者の予想よりボール半分か一つ分、バットの上を通り過ぎてしまったというわけです。

指先に最後までボールがかかっているということは、ボールを長く持っているということであり、その分打者との距離感が縮まり、見えている時間も短くなるわけですから打ちにくいのは当然ということになるのです。

今の田中投手と、広島の前田投手にはそれに近いものを感じます。

田中投手が一年目のシーズンを終えた後、直球の走りが納得できないと、ベッドに横たわり、顔の前でボールを天井に向かって投げ上げる動作をひたすら繰り返す映像をテレビで見ましたが、彼は誰かに教えてもらう技術ではなく、自分でその答えを探したいと自問自答して、何かをつかんだのでしょう。

その私なりの答えを次回書いて見たいと思います。

3位以内が決まり、お祭り騒ぎの広島ですが、実は日本一も夢ではないと私は思っています。

勢いだけでなく、自分の何が良くて、何が悪いのか冷静に分析できる選手が増えて欲しいと思います。
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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
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