本当の基本とは

今朝早くに大吉さんから嬉しいコメントが届きました。

ボールを投げるための体の連動について書いた、前回のブログのとうりにやってみたら、本当に簡単に正しい投げ方が実感できたという内容でした。

私自身、子供の頃にこの当たり前の事実を知っていたら、肩や肘を痛めることもなく、もう少しマシな投手になることができたのではないかと残念に思います。

しかし不思議なことに、この事実を伝え実践させた選手たちでさえ、自分が指導する立場になると、この基本中の基本となる体の使い方よりも、何か別の大事な理論があるかのような指導をしています。

確かに、打者との駆け引きや精神的な問題など、経験者でなければ教えられないと思いたいのは分かります。

自分の経験だけでは足りないと思うと、自分より実績を残した人物の指導を受けさせたがるのも経験者に共通した発想のようです。

高校生相手に、旧知の元プロ野球選手まで引っ張り出そうとする指導者もいます。

プロ野球の投手でさえ、現実的には私が今お話ししているような基本的な体の使い方を一から指導しないと、それ以上のレベルアップが望めないのです。

私が指導した内容を、9年間一緒に戦った佐々岡投手をもってしても、そのすべてを伝えることは難しいでしょう。

本当に選手を育てたいのであれば、私に丸投げするくらいの勇気が必要なのです。

私にはこう言われたが、別の指導者からはこう言われたでは、選手は困ってしまいますし、チーム内での上下関係がありますから、選手は必然的にそういう立場の人間から言われたことをやろうとします。

その基礎が完全に身についてしまえば、細かい問題は一定のレベルを経験してきた選手たちですから、自分で考えられるはずです。

そうでなければスポーツをやっていて楽しいわけがありません。

本当に教えてあげなければならないことは何なのか、指導する立場の人間は、もう一度良く考えて見たらどうでしょう。

これが子供達や、中学生高校生の指導者レベルになると極端になります。

高いレベルまで育ててあげようと思えば、壊れたから治してくれではなく、本当はどうしなければならなかったのかを、もっとしっかり学ぶべきです。

今、田中投手が突き抜けた存在となったのは、数年前の彼のドキュメンタリー番組を見、その後の報道された内容から想像すると、自分の改善しなければならないことに自分で気づき、それに対する答えを自分で見つけ、もちろん周りの助言もあったとは思いますが、自分の考えですべてを改善して行ったことではないでしょうか。

これは言葉で言うのは簡単ですが、本当に難しいことです。

選手は結果が出ている時も、不調に陥っている時も、本質的に何が良くて何が良くないのか分かっている選手は、ほとんどいません。

今年限りで引退が決まったカープの前田選手は、おそらく自分の求める、理想であり究極のバッティングというものが存在したのでしょう。

ただ打席に入って、きた球を打ち返して、人のいないところに飛んだからヒットでは、まったく満足できない、常人の理解を超えた、遥か高いレベルの世界が彼には見えていたのでしょう。

それにしても怪我との戦いでしたが、彼が心を許し安心して体のことを任せられる存在はいなかったのでしょうか、残念でなりません。

体力と技術がまだ別のカテゴリーだと思いたい、競技経験者の指導者たちに早くこの言葉に気づいて欲しいと思います。

何度も言い続けて来ました、私の技術の定義です。

「技術とは、自らの企図した筋肉の収縮活動を、反復継続して行うことの出来る能力である」

この言葉をかみしめて欲しいと思います。

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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
「第25回西本塾」を11月18・19日の土日に開催を予定しています。
詳細はStudio操ホームページ内の「講習会情報」をご覧ください
尚、深める会も12月10日に予定しています。

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