重心移動?体重移動?

昨日のブログの閲覧数、多分このブログを書き始めて最高の数だったと思います。

100を超えたことが何度かありましたが、スポーツライターの木崎さんが自身のツイートで、私のブログに関する内容をつぶやいていただいた時に、数字が大きく跳ね上がるようです。

さすがにメジャーな媒体で活躍している方の影響力は絶大です。

さらに、このブログを見ていただいている方は、サッカーの関係者が多いようなので、昨日のようなテーマにはいつも以上に興味を持っていただけるのですね。

私としては20数年のトレーナー人生の中で、最も力を発揮できたと思っているのは、広島カープの佐々岡真司投手との9年間だと思っています。

人間の体の仕組みを分析し、投手として必要な要素を確実に発揮できるための投球動作の理想形を模索し、そのために必要なトレーニングを考え指導し、納得の行く結果に結びつけて行けたことは、大きな自信となっています。

しかし、広島という地域性でしょうか、私の存在が表に出ることはなく、佐々岡投手に続いて指導を依頼してくる選手は出てきません。

それどころか、アマチュアの指導者たちも、私の理論と方法論を学ぼうという人が出てこないことは、私にとっては不思議でなりません。

高校生の年代で、すでに肩や肘に将来に影響する故障を抱えてしまっている選手を、数多く見てきました。

もっと早い段階で、正しい体の使い方を指導されていればこんなことにはならなかったのにと思うことがしばしばでした。

野球の世界では今だに経験論が幅を利かし、選手としてまた指導者としての実績の大小で発言力が違っているようです。

大切な子供達を預かる指導者が、もっと勉強する姿勢を示さなければ、かわいそうなのは子供達です。

以前から、保護者の方から指導者には内緒で治療を受けたいという申し出を受けることがありました。

その時に私が言うのは、ここで肩肘が多少良くなって練習に復帰したとしても、故障してしまった原因が練習内容や指導者の知識不足であることは明白なのだから、そのことをきちんと訴えて改善してもらわなければ、こそこそ治療に通っても意味がないということです。

我が子をなんとかして欲しい、かと言って指導者に意見をすれば子供の立場が悪くなって、試合に使ってもらえなくなるかもしれない、みんなそう思っています。

指導者がどんなに実績があって評価されている方であったとしても、現実に起こっている選手の故障に対して、何のてだても講じられないのであれば、勝ち負け以前の問題だと思います。

歳が上であろうと有名な指導者であろうと、間違っていることは間違っていると言ってあげなければ何も変わりません。

私が直接言ってあげますから、と言っても、それなら結構ですと尻込みされてしまいます。

つい先日も、何処かの県で部活の朝練習を禁止するとかしないとかいう記事を見ましたが、私がすでにこのブログでも指摘したとおり、学力云々を問題にしていましたが、動物としての人間の成長の完成期である年代に、きちんとした睡眠時間も朝食を取る時間も与えず、他もやっているから過去もやってきたからという理由で朝練を強要する指導者や、もしかしたら自主的にやっているかもしれませんが、正しい知識を持てばどちらが大切か子供たちにもわかるはずですし、その分の内容を放課後の練習時間の中身を見直す工夫で、十分対応できると思います。

さて、昨日のイニエスタ選手の動きに関して、ツイッターから質問をいただきました、一方通行でなくやりとりをさせていただけることは何より励みになりますので、気になることがあればどんどん質問してきてください。

内容はイニエスタは重心移動をうまく使っているから早く動けるのではないですかというものでした。

ここで出てきたのは重心移動という言葉です、もうひとつ体重移動という言葉もありますね。

昨日もそこまで書こうかと思ったのですが、文書が長くなりすぎるため割愛しました。

私の理論では、体重移動と重心移動は明確に分けて考えています。

イニエスタの動きで言うと、昨日も書いたように、上体は相対する人間の方に向いたまま、体の中身が別の方向へ動き出すという言い方をしました。

ここで体重移動という概念で動きだそうとすると、足の裏で支えている体重のほぼ全てを、同時に移動する方向へ運ばなければならないことになります。

体重が75kgくらいでしょうか、その重さを移動させるために、足の裏で地面を押してその反力で移動するためには、体重の何倍かの力が必要になります。

ところが、イニエスタのように下半身はその場に居続けるように見えて、上体の中身が進行方向へ動き出した場合、単純に言えば歩くとき、両足を揃えて立ち、体を真っ直ぐにしたまま、前に倒れて行けば、当然前のめりで倒れてしまわないように、どちらかの足が一歩前に出て体を支えますよね。

その時に、踏み出した足は地面を強く蹴ったでしょうか。前のめりになったことで移動したのは、体重ではなく重心が移動したのですよね、その移動した重心の下に、足が支えに行ったというのが正しい解釈ではないでしょうか。

使われた筋力の差は歴然です、真っ直ぐ立っていた体重そのものを運ぶために使われた筋力と、ほんの少しのきっかけで移動した重心の下に運ぶために使われた筋力は、誰がどう考えても大きく違うと思います。

さらに体重移動のためには、しっかり地面を蹴るという予備動作(これがいわゆる居つく)が必要になり、相手に動きを読まれてしまいます。

対して、ほんの一瞬の重心移動(皮膚の内側をずらすように)しただけで動き出されてしまっては、それに対応するために予備動作を行ってから体重移動する相手が、対応できるわけがないということになるのです。

いかがでしょうか、大雑把な説明ですが、体重移動と重心移動の違い、ご理解いただけたでしょうか。

実際にやってみると、有る意味簡単である意味とても難しい動作になります。

しかし、イメージを正しく持って、まずはゆっくりした動作で繰り返し行って行けば、いつか必ず大事な場面で周囲をあっと言わせる、イニエスタかメッシのような身のこなしができるようになるかもしれません。

指導者のみなさん、まずはしっかりご自分で理解し実践して、子供達に伝えてください。

数年後には日本の選手の動きが世界中の注目を集めているかもしれません。

現役の選手たち、現状に満足せずもっともっと上を目指そう、君たちにはすでに相対評価ではあるけれど、他者よりも優れた能力を備えているはずです。

それに満足せず、さらなる可能性を信じて挑戦して行こう。

今すぐ取り組まなければならないのは君たちです。


追記

西本塾に参加を検討しているが、参加できない場合私の方から出向いての講習会は開催してもらえないのか、という内容のコメントをいただきました。

第一回第二回と予定しておりますが、私の考え方を理解していただくためには、ある程度の時間をかけてじっくり話を聴いていただく必要があると思っています。

たとえば単純に走り方のみの実技講習会では、私の意図するところが断片的にしか伝わらないのではと危惧しているからです。

ですから、何回か西本塾に参加して頂いて、この方ならと思った方のところへなら、直接伺って指導のお手伝いができるかなと思っています。

まだまだ手探りの状態ですが、来年からは、例えば一日目は午後から、もしかしたら夜の時間帯にでも伺って、指導者の方に対しての講習会を行い、翌日に現場で指導者もしくは選手たちも交えての実技講習会という形で、理論と実践両方に時間をかけられる形が取れれば、日本全国何処へでも飛んで行こうかなと考えています。

ある程度費用がかかりますので、参加者を集めていただいたりする手間もかかると思いますが、ご希望があればご検討いただければと思います。
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プロフィール

Author:西本 直
1993年、Jリーグサンフレッチェ広島を皮切りに、社会人野球三菱重工広島・協和発酵・ヴィッセル神戸・川崎フロンターレ、そして広島カープ佐々岡真司投手など、プロアマ問わず競技レベルのスポーツ選手から一般の方まで、トレーニングやメンテナンスの指導を行ってきました。
その経験と知識の蓄積を「西本理論」としてまとめ、一人でも多くの方に実践していただくことが、これからの私の使命であると信じ、このブログから発信していきます。
私の理論はスポーツ選手のみを対象としたものではなく、ビジネスマンや家庭の主婦まで老若男女すべてに当てはまる不変のものです。
指導や講演のご依頼も受け付けています。
実名でツイッターも書いていますので、チェックしてみてください。
また、2013年9月9日にConditioning Studio 操をオープンしました。こちらもご覧ください。
また、遠隔地にお住まいの方を対象とした動き分析とアドバイスを行っています。
詳細は「スタジオ操」のホームページ内の「遠隔サポート」をご覧ください。
西本塾を深める会を9月10日(日)に開催を予定しています。
詳細はstudio操のホームページ内の「講習会情報」をご覧ください。

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